中国側が米国ミズーリ州を相手取り、大規模な損害賠償を求める民事訴訟を提起した。新型コロナウイルスを政治化し中国に烙印を押そうとしたという理由であり、先に米国が中国側に提起した訴訟に対する報復的措置と受け止められる。
18日(現地時間)の香港サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、ミズーリ州のキャサリン・ヘナウェイ検事総長は、先週中国湖北省武漢市中級人民法院に提起された3564億3700万元(約74兆6000億ウォン)規模の民事訴訟について通知を受けたと明らかにした。
訴訟は武漢市政府と武漢ウイルス研究所、その上位機関である中国科学院などが2025年4月3日に提起したもので、被告はマイク・ケホ知事が代表するミズーリ州と、ミズーリ州検事総長を務めた現上院議員のエリック・シュミット、現連邦捜査局(FBI)共同副局長のアンドリュー・ベイリーである。
原告は、被告が新型コロナの起源追跡を捏造し、中国が情報を隠蔽しマスクなど個人用防護具を買い占めていると中傷したと主張した。原告は損害賠償に加え、ニューヨーク・タイムズ(NYT)・人民日報、YouTubeなどを通じた公開謝罪を求めた。
ただし今回の訴訟は、5年前にミズーリ州が米国の裁判所に提起した訴訟への対応色が濃いとみられる。当時、ミズーリ州検事総長だったシュミット上院議員は中国を相手取り訴訟を提起したが、新型コロナの拡散で「数兆ドル」の経済的被害を被ったという内容だった。
これに対し米連邦裁判所は今年3月、被告側がミズーリ州に240億ドル(約35兆5000億ウォン)以上を支払うよう判決を下した経緯がある。
ヘナウェイ検事総長はこの日、中国側の訴訟について「事実の根拠がなく法的な実益もない」と述べ、米裁判所の判決に基づく240億ドルの徴収意思を示した。