人工知能（AI）投資のバブルへの警戒感が高まるなか、グローバルファンドが代替先としてインド市場に再び注目している。テクノロジー株の比重が高まった世界の株式市場でボラティリティを回避しようとする機関が、インドの低いAI相関度と堅固な消費基盤に着目しているためだ。
14日（現地時間）ブルームバーグ通信によると、グローバル資産運用会社アバディーン・グループは来年のインド株式市場の反騰を予想し、プリンシパル資産運用とイーストスプリング・インベストメンツは、インド市場はAI関連取引との相関性が低くヘッジの役割を果たし得ると評価した。HSBCとジェフリーズも同様の見通しを示した。今年のAIブームが鈍化し、インド株式市場のバリュエーションが5年平均水準へ戻った点も魅力要因として挙げられる。
インド株式市場の上昇は銀行、消費財、サービス業などが主導している。特定のAI恩恵銘柄に依存しない構造がグローバルファンドに分散効果を提供すると判断している。資産運用会社プリンシパルAMCのラジ・シン運用担当者は「AI取引が一服すれば資金がインドに流入する可能性が高い」とし「インドは減税、労働法改革、国内流動性拡大など構造的な成長要因を備えている」と語った。
投資銀行ジェフリーズはアクシスバンク、バルティ・エアテル、TVSモーターなどを有望銘柄として示した。グローバル投資家がAI投資サイクルのピークを意識する場合、インド市場が相対的な超過収益を上げ得るとの見通しも示した。
ただしインドは米国のエヌビディアのような中核AI企業が不足し、半導体の設計・製造エコシステムへの投資も乏しい。インド最大のIT企業タタ・コンサルタンシー（TCS）の初期AIプロジェクトも市場で大きな反応を得られなかった。一方、中国はテンセントやアリババ、カムブリコンなどAIおよび半導体の上場企業が多数含まれており成長機会を提供するが、政策リスクも大きいとの評価だ。
アマゾンとマイクロソフトは先週、インドに520億ドル（約7兆3000億ウォン）を投資すると発表し、相当部分がAIインフラ拡充に充てられる予定だ。インドの成長率が8%台を維持している点、米国との通商交渉妥結の可能性が高まっている点も市場にプラスに作用している。
このようにグローバルファンドがAIリスクを抑えるためのポートフォリオ再編に動くなか、インドが再び中核の投資先として浮上する流れがみられる。ジェリー・ゴー・アバディーンのアジア株式責任者は「インドは低調だった今年とは異なり、来年は注目すべき成果を上げ得る」とし「バリューの魅力が高まった分野に選別投資している」と明らかにした。