ウクライナの終戦交渉を主導するドナルド・トランプ米国大統領のスティーブ・ウィトコフ特使がドイツのベルリンでボロディミル・ゼレンスキーウクライナ大統領と会う。
13日(現地時間)ロイター通信などによると、ウィトコフ特使は今週末にベルリンでゼレンスキー大統領や他の欧州首脳らと会い、終戦交渉案に関する協議を行う。会合にはトランプ大統領の長女婿であるジャレッド・クシュナーも参加する。
先にキャロライン・レビット米大統領府(ホワイトハウス)報道官は11日に、トランプ大統領が「会議のための会議」にうんざりしているとして、和平交渉に実質的な進展がある場合にのみ公式代表を派遣すると述べたことがある。2日にモスクワで行われたウィトコフ特使とプーチン大統領の会談は実質的な成果なく終わった。
WSJは「今回の会合は米大統領府が年内の戦闘停止合意を迫るなかで開かれる重要な会談だ」とし、「ウィトコフ派遣の決定は、合意条件をめぐるウクライナと米国の見解の相違を埋めるための圧力が強まっていることを示している」と評価した。
ベルリン会談では領土の譲歩とウクライナの安全保障などの問題が最大の争点になる見通しだ。米国はロシアの要求どおり、ウクライナが現在占領中の軍事要衝を含めて東部ドンバス地域全体をロシアに引き渡せと求めてきたが、ウクライナ側はこれを拒否してきた。
ウクライナの反対を受け、米国は最近、ウクライナが占領中のドンバス地域を特別行政区域の一種である「自由経済地帯」または「非武装地帯」とする修正案を提示したとされる。しかしウクライナはこの案にも否定的な反応を示した。
このほかにも、ロシアのウクライナ再侵攻を防ぐための安全保障装置の整備、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO・ナトー)加盟を認めるかどうか、欧州で凍結された巨額のロシア中央銀行の凍結資産の処理問題などの議題も、今回の会合で取り上げられる見通しだ。
ただし、ベルリン会合で有意義な進展が得られるとは限らないとの見方もある。ブルームバーグ通信は「プーチン大統領は戦争の目標を変える気配を全く見せていない」とし、「仮に米国とウクライナが合意に達しても、モスクワが和平協定に同意するかは不透明だ」と伝えた。