毎年、世界に最も大きな影響を与えた「今年の人物」を選定してきた米国の時事週刊誌タイムが、今年は人工知能（AI）の発展を主導した技術系企業人を選んだ。
タイムは11日（現地時間）、「AIの設計者たち」（Architects of AI）が今年の人物だと明らかにした。
タイムの表紙にはMeta（メタ）のマーク・ザッカーバーグ、AMDのリサ・スー、テスラのイーロン・マスク、エヌビディアのジェンスン・フアン、OpenAIのサム・アルトマンなどAI関連企業の最高経営責任者（CEO）が登場した。
タイムは「今年は人工知能の完全な潜在力が強く示され、（AI）以前に戻ったり抜け出したりできないことが明白になった年だった」とし、「今年はAIを想像し、デザインし、作った個人たちほど大きな影響を与えた者はいなかった」と述べた。
タイムは「問いが何であれAIが答えだった」とし、「AIは医療研究と生産性を加速し、不可能を可能にするかのように見えた。何かを読むときも見るときも、AI技術の急速な進展とそれを主導する人々に関するニュースに出会わないことは容易ではなかった」とした。続けて「どの企業リーダーもこの技術革命の影響に言及せずに未来について語ることはできなかった。どの親や教師も10代の子どもや学生がAIをどう使っているかを無視できなかった」と付け加えた。
タイムはAIと企業人が米国トランプ政権の政策にも大きな影響を与え、AIが米国と中国の競争など国際関係にも大きな変数として作用したと評価した。タイムは「彼らは政府の政策方向を変え、地政学的競争相手を変え、家庭にロボットを持ち込んだ」とし、「AIはおそらく核兵器の到来以降、大国間競争で最も重要なツールとして登場した」と強調した。
ただしタイムは、AIの発展に伴う膨大なエネルギー消費、雇用の減少、偽ニュースの拡散、サイバー攻撃、少数の企業人に集中した巨大な権力などの副作用も指摘した。
タイムは1927年、世界で初めて大西洋を無着陸横断飛行したチャールズ・リンドバーグを表紙に載せて以降、毎年今年の人物を選定してきた。昨年は米大統領選で勝利し4年ぶりにホワイトハウスに復帰することになったドナルド・トランプ米大統領が選ばれた。