欧州各地で移民規制を強化して門戸を閉ざす動きが広がるなか、スイスが人口の上限を1,000万人に制限する法案の制定を推進していると伝わった。現在のスイスの人口は約900万人規模と推計される。

スイス・チューリヒの街並み。/聯合ニュース

10日付のブルームバーグによると、スイスは人口を1,000万人に維持する法案を国民投票に付す見通しだ。法案が通過すれば、難民や熟練人材、高所得の管理職など身分の区別なく新規入国が大幅に制限される可能性がある。スイスは主要政策を国民投票で決定する直接民主制の国家で、採決は早ければ来年に実施される見込みだ。

この法案は強硬な右派性向の与党であるスイス国民党(SVP)が2023年に初めて提出した。同党は総選挙当時、スイス市民権を「特権」と位置づけ、移民抑制を中核公約に掲げるとともに、人口上限を生活様式の保護と環境負荷の緩和策として強調した経緯がある。

法案は段階的なシナリオに従い人口増加を抑制することを骨子とする。2050年以前に総人口が950万人を超えた場合、難民と外国人居住者の家族の入国が優先して制限され、一時的に入国した人々の在留許可および定住許可、ならびに市民権の付与が停止される。1,000万人を超えると「人口増加をあおり得る」国際条約からの離脱が行われ、その後も2年以内に人口が1,000万人未満に下がらなければ、スイスはEUとの人の自由移動協力を終了することになる。

7月に実施された世論調査によれば、スイス国民は賛成48%、反対41%で賛成がわずかに上回ったとされる。ただし直接民主制の投票の特性上、最終結果の予測は難しいとの見方も出ている。

人口増加をめぐる不満は継続的に蓄積されてきた。スイスはUBS、ネスレ、ノバルティスなどのグローバル企業の本社に加え、グーグル、IBM、ウォルト・ディズニーなどの外国系企業が集積する欧州の経済中枢で、法人税率は低く生活水準は高いため海外人材の流入が活発だ。過去10年間でスイスの人口は約10%増加したが、これはEUの平均増加率(約2%)を大きく上回る水準である。とりわけ2023年からはウクライナ難民の流入も重なり人口が急増し、市民の不満が増幅したとみられる。

一方でスイス財界は、移民の制限が経済を悪化させ得るとして強い懸念を示している。経済団体エコノミースイスによると、2040年までにスイスでは約43万人規模の労働力不足が見込まれ、これを移民なしで補うことは不可能だとしている。製造業団体スイスメムもまた、輸出依存度の高い産業群では移民出身の熟練人材を受け入れることが不可避だとの立場だ。

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