IOCが性別移行選手の五輪出場を制限へ方針策定を推進

国際オリンピック委員会（IOC）が「性別移行選手」の出場を制限する新たな性別規定の新設を推進している。

カースティ・コベントリーIOC委員長は10日（現地時間）にスイス・ジュネーブで開かれたIOC理事会会議後の記者会見で「来年第1四半期中には非常に明確な決定と方向性を示せることを期待している」と明らかにした。

新たな方針には性別移行選手のオリンピック出場資格を制限する内容が盛り込まれる可能性が高いと伝えられている。コベントリー委員長は6月の就任直後に「女性部門（female category）の保護」を検討するための実務グループを構成した経緯がある。

IOCの方針新設の推進には米国の影響が大きかった。米国のドナルド・トランプ大統領が2月に、性別移行選手の女子スポーツ参加を許容する団体への資金支援を中断できる行政命令に署名したためである。

先立って7月に米国オリンピック・パラリンピック委員会（USOPC）は傘下団体に政府命令の順守を勧告し、事実上、性別移行女性の大会出場を阻んだ。米国は2028年のロサンゼルス（LA）夏季オリンピックの開催も控えている。

パリオリンピックではボクシング金メダリストのイマネ・カリフ（アルジェリア）を巡る性別論争が激しくなった経緯もあった。カリフはパリオリンピック女子ボクシング66キロ級の試合で性別を巡る論争の中、圧倒的な競技力を見せた。

コベントリー委員長は「合意点を見つけるのは容易ではないが、女性部門を保護し最も公正な方式を見つけるため最善を尽くす」と述べ、「スポーツへのアクセスはすべての人の権利であり、この立場は決して変わらない」と語った。