エマニュエル・マクロン仏大統領の妻ブリジット夫人が女性運動団体を卑下する発言をする映像が拡散し、強い逆風に直面している。とりわけマクロン大統領は性平等を中核政策課題として掲げてきただけに、政界と市民社会全般で批判が広がっている。

ブリジット・マクロン仏大統領夫人。/聯合ニュース

9日(現地時間)AP通信など海外メディアによると、7日にブリジット夫人がある劇場のバックステージで仏コメディアンのアリ・アビタンと私的に会話する様子が映像で撮影され、オンラインに流布された。映像でブリジット夫人は女性運動団体ヌトゥット(NousToutes・フランス語で「私たち皆」)を狙い、「愚かな女どもだ」とし、「また戻ってきたら追い出す」と語る様子が収められている。

ヌトゥットは性差別反対運動を主導してきたフランスの女性団体である。さきの2019年、この団体はパリでデート暴力と家庭内暴力を糾弾するデモを主催し、約5万人が集結して歴史上最大規模の女性運動デモを導いたとの評価を受けている。

最近この団体に所属する活動家4人がアリ・アビタンの顔を描いた仮面をかぶって彼の公演に登場し、客席から「強姦犯」と叫んで騒ぎを起こした経緯がある。アビタンは2021年末に女性を強姦した疑いで告訴された後、不起訴処分となったが、彼の復帰に反対してきた女性活動家が抗議の意を示したものだ。ブリジット夫人はアビタンを慰める過程でこのような発言をしたとみられる。

映像公開直後、夫人側は直ちに火消しに動いた。エリゼ宮の報道官は「マクロン夫人の意図はアビタンを安心させることだった」とし、「いかなる形でも特定の案件(女性運動)を攻撃しようとする意図はなかった」と明らかにした。ただし報道官は「公演を中断させるなどの『過激な運動手法』には反対する」と付け加えた。

ただ、積極的な釈明にもかかわらずブリジット夫人の発言は大きな波紋を呼んでいる。ヌトゥットが夫人の発言「sales connes」(フランス語で「愚かな女ども」)をハッシュタグ化してソーシャルメディア(SNS)で共有し、これに後押しされる形で女性活動家や芸術家、さらには政治家までが批判に加勢した。

とりわけリベラル陣営から夫人への攻撃が続いている。極左政党「屈しないフランス」のサラ・ルグラン議員は「ブリジット・マクロンがフェミニストを侮辱した」と非難し、緑色党のマリン・トンドリエ代表も「ファーストレディーが口にすべき発言ではない」と攻勢をかけた。

ブリジット夫人を巡る雑音は絶えない状況だ。先にブリジット夫人は本来は男性だったという噂に苦しめられたが、夫人が実は実兄のジャン=ミシェル・トローニュで、性別適合手術を経てブリジットという名で暮らしているという主張が広まったためだ。

この噂はフランスのブロガーであるアマンディーヌ・ルワとナタシャ・レイの2人から派生し、米国の強硬保守論客キャンディス・オーウェンズによってさらに拡散した。オーウェンズは「ブリジット性転換説」を主張する映像「ビカミング・ブリジット(ブリジットになる)」11本をYouTubeに投稿し、各回ごとに140万〜570万回の再生数を記録するほど波及力が大きかったという。

ついには7月、大統領夫妻はオーウェンズを相手取り名誉毀損訴訟を提起したが、訴状によればマクロン大統領はドナルド・トランプ米大統領との会談当時、「オーウェンズをなだめてほしい」と要請したほどこの噂に悩まされた。のちに夫妻は、ブリジット夫人が女性であることを証明するため、米国の裁判所に化学的証拠を提出することにした経緯がある。

またブリジット夫人は小児性愛者だという論争に巻き込まれたこともある。夫であるエマニュエル・マクロンと初めて出会った当時、マクロンが15歳だったためだ。2人は1993年にカトリック系高校で師弟関係として初めて出会い、当時ブリジット夫人の子どももマクロン大統領と同じ学級に在籍していた。ただし2人がいつ異性関係へと発展したのか、その時期は明確には知られていない。

マクロン大統領夫妻は昨年、ブリジット夫人がトランスジェンダーだという主張に火をつけたフランス人ブロガーのルワとレイを相手取った名誉毀損訴訟で勝訴したが、7月の控訴審では表現の自由を保障すべきだという趣旨で敗訴している。

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