Meta（メタ）がオープンソースAI戦略を事実上修正し、次世代の超知能確保を目標とするクローズドモデルの開発に乗り出したと伝わった。市場の期待に及ばなかったLlama 4以後の戦略転換が本格化したとの評価が出ている。
9日（現地時間）米CNBCによると、Meta（メタ）はオープンソースで公開されていた「Llama」後続モデルをコード名「アボカド」で開発中であり、重みなど中核ソフトウエア要素を公開しないクローズドモデルへ転換する計画だ。当初は年末までの発売を目標としていたが、内部テストを経て発売時期を来年1〜3月期に調整した状態だ。Meta（メタ）は「モデル訓練は計画どおり進行中で日程に大きな変化はない」と明らかにした。
Meta（メタ）はこれまでOpenAI、Anthropic、グーグルと異なり開放型戦略を掲げ、後発として市場を素早く掌握しようとしたが、今年4月に公開したLlama 4が期待以下の評価を受けたことで基調を修正したとみられる。マーク・ザッカーバーグCEOも昨年「オープンソースが未来だ」と強調したが、今年は「公開する内容を慎重に選ばなければならない」と立場を変えた。中国のDeepSeek（ディープシーク）のR1がLlamaの設計を活用したという内部の反発も影響を与えたとされる。
ザッカーバーグはLlama 4後の戦略を超知能開発へと転じ、Scale AIに143億ドルを投資し、創業者アレクサンダー・ワンを最高AI責任者（CAIO）として迎え入れた。アボカドはMeta（メタ）超知能研究所（MSL）内でワンCAIOが直接率いる精鋭組織「TBDラボ」で開発中である。同チームはCEOオフィス近くでネットワークからも分離されたまま、事実上スタートアップのように運営されていると伝えられた。
内部では週70時間勤務が日常化するほど圧力が高まり、組織再編の過程で解雇も発生した。この過程で2013年からMeta（メタ）の最高AI科学者として活動してきたヤン・ルカン教授が会社を離れ起業を決意するなど、人材の移動も続いた。
Meta（メタ）は今年の設備投資見通しの下限を660億ドルから700億ドルへ引き上げ、10月には250億ドル規模の社債発行にも踏み切るなど大規模投資を継続している。キーバンク・キャピタル・マーケッツは「Meta（メタ）は年初まではAIの勝者と評価されたが、現在は投資規模と収益性に対する疑問に直面している」と分析した。