グーグルがウェブパブリッシャーのオンライン記事とYouTube動画を自社の人工知能（AI）モデル訓練に無断で活用した疑いに関連して、欧州連合（EU）の反独占調査を受ける。
9日（現地時間）、EU欧州委員会は「グーグルが検索市場の支配的地位を利用してパブリッシャーとYouTubeコンテンツ制作者に不公正な条件を課している」とし、「これらのコンテンツを十分な補償なしに自社AIサービスの開発に使用した状況がある」と明らかにした。
欧州委は特に、グーグルがパブリッシャーに事実上の『同意なき使用』を強要し、コンテンツ使用を拒否する実質的な選択権を与えないまま、AI生成要約サービス『AIオーバービュー（Overview）』などに当該コンテンツを反映したと見ている。また、YouTube動画がAIモデル学習に活用される過程でも、制作者に適切な対価を支払わなかったかどうか調査する方針だ。
テレサ・リベラEU競争担当委員はブリュッセルで開かれた記者会見で「自由で民主的な社会は多様で独立したメディア生態系に根ざしている」と述べ、「AIの発展が報道の自律性と公正な報酬体系を損なってはならない」と語った。
EUの調査は7月に欧州パブリッシャー協会が問題提起したことに端を発する。調査の結果、グーグルの行為がEU競争法違反と結論づけば、世界の年間売上高の最大10%に達する制裁金が科される可能性がある。
グーグルは即座に反発した。グーグルの広報担当者は「AI市場はいまかつてないほど競争が激しい」とし、「このような措置はイノベーションを萎縮させ、欧州の利用者が最新技術を享受する機会を制限しかねない」と主張した。担当者は「当社は報道機関と制作者がAI時代に適応できるよう緊密に協力していく」と付け加えた。
EUは最近、Meta（メタ）に対しても自社メッセンジャー『ワッツアップ（WhatsApp）』で外部AIチャットボットを遮断した疑いで別途の反独占調査を開始した。ブリュッセルはジョー・バイデン政権との軋轢を甘受してまで、米ビッグテックへの規制圧力を強めている。