米国で景気後退懸念がなお残る中、米国の大手百貨店チェーンが相次いで市場予想を上回る業績を示し、その背景に関心が集まっている。
米経済専門メディアCNBCによると、米国最大の百貨店チェーンであるメイシーズは3日(現地時間)に発表した7〜9月期(第3四半期)決算で売上高471億ドル(約6兆9,279億ウォン)を計上したと明らかにした。これは市場予想の462億ドル(約6兆7,955億ウォン)を上回る水準である。メイシーズの調整後1株当たり利益(EPS)も0.09ドルとなり、0.14ドルの損失を見込んでいた市場予想を大きく上回った。
先月、米百貨店チェーンのコールズも第3四半期の売上高340億ドル(約5兆7,000億ウォン)、1株当たり利益0.10ドルを記録し、市場予想を上回る業績を示した。アナリストはコールズの1株当たり利益がマイナスになると予想してきた。ウィスコンシン州に本社を置くコールズは、米国全土に1,100店以上を構える最大規模の中低価格帯百貨店チェーンである。
米大手百貨店の業績を牽引した要因として、自社ブランドのクレジットカード事業が挙げられる。英フィナンシャル・タイムズ(FT)は「上場企業の中で最大規模を誇るメイシーズとコールズは自前のカード・ポートフォリオは保有していないが、提携銀行との利益分配契約を通じ、驚くほど多くの営業利益を生み出している」と8日に報じた。
これら百貨店のブランドカードは、手元資金が不足する消費者を狙い、前払い割引や各種特典を提供している。その代わりに百貨店は高いクレジットカード金利を通じて莫大な収益を得ている。連邦準備制度(Fed)によると、全米のクレジットカード平均金利が約20%であるのに対し、百貨店カードは30%を上回る。
メイシーズの場合、昨年のクレジットカード売上は全体売上の3%に過ぎなかったが、グループ営業利益の62%を占めた。クレジットカード売上比率は2023年の53%から約10%ポイント(P)上昇した数値である。業界では、コールズはクレジットカード事業がなければ営業赤字を記録したはずだとの評価が出ている。
FTは「来店が減った実店舗、オンライン競争、関税負担で苦しむ小売企業にとって、金利収入が売上と収益性の減少分を相殺するのに役立っている」と伝えた。こうした理由から、米家電量販のベストバイ、下着ブランドのヴィクトリアズ・シークレット、量販チェーンのターゲットなども、全体の営業利益の10〜26%をクレジットカード事業で稼いでいる。
ただし、景気動向に敏感なクレジットカード事業への高い依存はリスクを高めるとの指摘もある。FTは「消費者信用が弱まりカード利用が減ったり延滞が増えたりすれば状況は変わり得る」とし、「想定以上のリスクを抱えるのは消費者だけではない」と伝えた。