ニューヨーク株式市場の主要3指数がまちまちで始まった。12月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合を前に警戒感が強まったと分析される。
9日(現地時間)午前10時24分現在、ニューヨーク証券取引所でダウ工業株30種平均は前日比108.83ポイント(0.23%)高の47,848.15を付けた。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)500指数は前日比6.49ポイント(0.09%)高の6,853.00、ナスダック総合指数は前日比23.30ポイント(0.10%)安の23,522.60を示した。
FOMCはこの日から2日間の日程で年内最後の定例会合を開くが、今回の会合では25bp(1bp=0.01%ポイント)の利下げが実施されるとの見方が出ている。ただし市場は利下げそのものよりも、不安定な今後の金利経路の方向性に一段と注目している様相だ。
シカゴ先物取引所(CME)フェドウォッチによると、金利先物市場は連邦準備制度理事会が10日に政策金利を現行の3.75〜4.00%から0.25%ポイント引き下げる確率を89.4%と織り込んでいる。先月の66.9%から大きく上昇した。
米労働省の求人・離職率調査(JOLTS)によれば、季節調整済みの求人件数は9月に765万件となり、市場予想の720万件を上回った。10月には767万件を示した。この日は民間の雇用情報企業ADPも週間の雇用増減を発表した。ADPによると先月22日を終点とする4週間で、米国の民間雇用の予備値は週平均4,750人増加したことが示された。
業種別では、テクノロジーと通信が軟調で、これらを除くすべての業種が堅調だった。
エヌビディアはドナルド・トランプ米大統領がエヌビディアの人工知能(AI)チップH200の対中輸出を許可すると明らかにし、株価が取引時間中に2%以上上昇した。しかしその後、中国当局がエヌビディア製チップの輸入を阻む可能性があるとのフィナンシャル・タイムズの報道が出て、上げ幅を消した。
ITコンサルティングのアクセンチュアは、AIチャットボット「Claude」の開発元であるAnthropicと3年間のパートナーシップを結び、企業向けにAIサービスを販売することにし、株価が1%以上上昇した。アップルとマイクロソフト、グーグル(アルファベット)、Meta(メタ)、ネットフリックスなどは下落している。アマゾン、ブロードコム、テスラは上昇している。
国際原油は軟調だった。同時刻、期近である2026年1月物のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)価格は前日比0.70%安の1バレル=58.47ドルとなっている。