米国ワシントンDCのホワイトハウス近郊で州兵の兵士2人を狙った銃撃事件が発生する中、犯行動機をめぐる疑問が広がっている。アフガニスタン出身の移民であるラマヌラ・ラカンワル(29)は事件発生当時、北西部のワシントン州に居住していたが、大陸を横断して首都ワシントンDCまで移動して犯行に及んだ。事件発生の経緯と目的をめぐる連邦捜査局(FBI)の公式発表はまだ出ていない状況だ。
こうした中、ラカンワルが米国入国後に政治的に急進化したという主張が30日(現地時間)に提起された。クリスティ・ノーム国土安全保障長官はNBCのインタビューで「われわれはまだすべての情報を精査中であり、新たな情報はFBIと司法省が公開する」としつつも「ラカンワルが米国に来て以降に急進化したと確信している」と述べた。続けて「ラカンワルの急進化は居住地域のコミュニティおよび州内のネットワークを通じて影響を受けたと見ており、家族構成員や交流のあった人物らとの接触を続けている」と付け加えた。
ラマヌラ・ラカンワルは米国のアフガニスタン撤収当時に米情報当局と協力していた現地部隊「ゼロ部隊」の出身で、2021年の米軍撤収とともに米国に入国し、ワシントン州で家族とともに生活してきた。ノーム長官の発言は、入国後に民主党色の強いワシントン州の政治的環境や移住を支援した市民団体との接触を通じて急進化した可能性を示唆したものと解釈される。
しかしNBCは、ノーム長官の説明だけでは犯行動機は十分に解明されないと指摘した。ラカンワルが所属していたゼロ部隊はCIAがアフガニスタン現地で運用した最精鋭部隊で、米国と協力しタリバンと戦った経歴があるためだ。むしろNBCは、不安定な在留資格と生計問題による挫折感が原因である可能性に注目した。
実際にゼロ部隊出身約3000人を含む多数のアフガン出身入国者が、なお特別移民ビザ(SIV)を受けられずに亡命を申請している状況であり、相当数が労働許可すら得られないまま生計を脅かされているとされる。ラカンワルの場合も、妻と5人の子どもを養い、最近までアマゾンで配送業務を担う非正規として短期間働いていたことが確認された。
ラカンワルの親族はNBCに「ラカンワルが米国人とともに戦った事実を覚えていてほしい」とし「なぜこのようなことが起きたのか理解するための助けが必要だ」と訴えた。
これに関連してトランプ政権は、ラカンワルが十分な審査なしに米国に入国した点を問題視している。ラカンワルの亡命申請は今年4月、すなわちトランプ2期政権発足後に承認されたものだが、前任のバイデン政権の責任を強調している。ノーム長官は「アフガン撤収当時、バイデン政権が身元調査なしに人々を飛行機に乗せて米国へ連れてきた事実を忘れてはならない」とし「ジョー・バイデンはこれらの人々をまったく検証しなかった」と批判した。続けて「ラカンワルの亡命申請はバイデン政権時に始まり、当時の政府が提供した情報に基づいて手続きが進んだ」とし「これはバイデン政権の責任である」と強調した。
トランプ大統領も自身のソーシャルメディア(SNS)であるトゥルースソーシャルに「いかれたジョー・バイデン、マヨルカス、そして『国境ツァー』カマラ・ハリスは、何の調査も検証もなく誰でも入国できるようにした」とし「そのせいで米国は壊れた」と主張した。
しかしCIAで勤務していた人物らは異なる見方を示す。ゼロ部隊出身を支援している元CIA要員のギタ・パクシ氏は「ゼロ部隊員は入隊当時だけでなく活動期間中もCIAの徹底した思想検証を受けた」とし「それでも人の内面でどのような変化が起きるのか、なぜ思考が極端に向かうのかは誰にも分からない」と語った。