ウクライナが4年間にわたり「最終兵器」と自負してきたドローン戦でもロシアに押されているとの評価が出ている。ロシアのドローン能力が急速に強化され、後方まで脅かされる状況が広がっており、こうした戦況の変化は外交・軍事の双方でウクライナに不利に働いているとの分析だ。
米国ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は29日(現地時間)、ロシアが今秋から小型ドローンの運用能力を大きく引き上げ、戦場の主導権を確保したと報じた。ロシアのドローンは前線全域で数量・戦術の双方で優位を示しており、ウクライナ軍が「安全地帯」とみなしていた後方補給路まで相次いで攻撃している。
とりわけロシアの専門ドローン部隊「ルビコン」は、歩兵を回避し前線から20km以上離れた中距離目標を集中的に攻撃する方式でウクライナ軍の補給体制を揺さぶっている。ロシア軍はドローン部隊まで攻撃対象に含めており、ウクライナの操縦者はより遠い後方からドローンを飛ばさざるを得ず、このため攻撃範囲も制約されているのが実情だ。
最前線の兵力と戦闘アナリストは、今年の戦場における最大の変化としてロシアのドローン能力の質的向上を挙げる。漸進的な占領地拡大よりも「ドローン戦の主導権」喪失の方がはるかに大きな戦況の変化をもたらしているということだ.
こうした劣勢は外交地形にも影響を及ぼしている。終戦交渉を加速させているドナルド・トランプ米国行政府の周辺では、ウクライナの戦争継続能力に疑問を投げかけ、ロシアに有利な条件を受け入れるよう圧力が強まっているとWSJは伝えた。
ウクライナ内部でも、対策を講じられない場合は領土防衛が難しくなり得るとの危機感が強まっている。元ウクライナ軍総司令官(現在英国駐在大使)のヴァレリー・ザルジニーは「後方が安全だという概念が崩れている」と述べ、「ドローン戦で主導権を取り戻せなければ、人員不足の問題と相まって戦争遂行の限界に直面する」と警告した。