注目を集める次世代防衛技術スタートアップのアンドゥリルが、自律型兵器システムの試験過程で繰り返し欠陥を露呈し、軍内部で技術の信頼性をめぐる論争が浮上している。アンドゥリルは「数年ではなく数カ月」で兵器体系を開発・配備すると強調してきたが、実際の試験現場では故障と安全問題が相次いだとの話が出ている。
27日（現地時間）のウォールストリート・ジャーナル（WSJ）によると、5月に米カリフォルニア沿岸で実施された海軍訓練では、アンドゥリルの自律ソフトウエア「ラティス」を使用した無人艇30隻余りのうち12隻以上が命令入力を拒否し、自動アイドリング状態に陥って作動を停止した。一部の艦艇は現場でまるで「死んだ船」のように動けず、他の船舶の安全を脅かしたと米海軍内部の後続報告書は明らかにした。4人の海軍水兵は報告書で「運用・安全違反が継続した」として、ソフトウエア構成の即時見直しを求めたという。
2017年にパルマー・ラッキーが設立したアンドゥリルは、無人戦闘機、対ドローン迎撃システム、戦場管理プラットフォームなど、多様なハードウエア・ソフトウエアを高速で開発し、米軍との契約を多数獲得してきた。企業価値は300億ドル（約40兆ウォン）以上と評価され、ラッキーはTED講演で「我々は迅速に動き、既存の防衛企業よりも安価かつ効率的に兵器を開発する」と主張した。
しかし実際の試験段階では穴が繰り返し露呈した。カリフォルニアの地上試験では無人戦闘機フューリーのエンジンが機械的問題で損傷し、8月のオレゴンでは対ドローンシステムのアンビルが墜落して22エーカー（約8万9000平方メートル）規模の火災が発生した。地域の消防車が投入され消火が行われ、アンドゥリルはその後、緩和計画を用意したと説明した。
ウクライナの戦場でも技術的限界が確認された。ウクライナ保安庁（SBU）の一部部隊は、アンドゥリルのアルティウスドローンがロシアの電波攪乱に脆弱で、目標を撃てなかったと明らかにした。該当ドローンは問題が深刻で昨年の使用が中断され、その後再配備されていないと関係者は述べた。
元海軍戦略家のブライアン・クラークは「アンドゥリルは複数分野で最小機能レベルの製品を同時に推進してきた」とし「肝心なのは、これらの製品が実際の作戦要求を満たせるかどうかだ」と評価した。
論争が拡大すると、アンドゥリルは「迅速に開発し、頻繁にテストし、反復的に改善する過程では失敗が伴い得る」との立場を示した。企業は「我々は実際に多くの失敗を経験するが、これは意図された開発モデルの一部であり、同時に多数の成功事例もある」と説明した。ウクライナで遂行中の任務でもロシアの標的に効果を上げたと主張した。
一方で防衛産業の専門家は、成熟したリスク管理体制が不足している点を問題視した。ジョナサン・ウォンRAND研究所上級政策研究員は「アンドゥリルは制度的セーフティネットが十分ではなく、試行錯誤が避けられない構造だ」と分析した。
WSJは「アンドゥリルは現在、米軍の次世代協働戦闘航空機（CCA）プロジェクトなど大型防衛契約を控えており、今後どれだけ速やかに技術的完成度を引き上げられるかが中核課題として浮上した」と伝えた。