感謝祭の連休を前日に控え、ニューヨーク株式市場が熱気を帯びた。連邦準備制度(Fed、FRB)が来月に利下げに踏み切るとの期待が再燃し、バブル懸念が出ていた主要テック株が再び堅調となったことで、主要3指数はそろって4営業日連続の上昇で引けた。
26日(現地時間)のニューヨーク証券取引所(NYSE)で、ダウ工業株30種平均は前日比405ポイント(0.9%)高で取引を終えた。大型株中心のS&P500も0.9%上昇し、堅調な上昇基調を示した。ハイテク株中心のナスダック総合は1.0%上昇し、3指数の中で最も大きな上げ幅となった。
最大の好材料は金利だった。ブルームバーグはこの日「FRBが利下げに動くとの期待が投資の楽観論を呼び戻した」と分析した。一般に、金利低下期待は将来価値を現在に割り引く成長株やテクノロジー株に有利に働く。
投資家心理を代弁するテクニカル指標も投資心理にプラスに働いた。S&P500はこの日、重要なテクニカルな支持線とみなされる50日移動平均線を再び回復した。これは短期的な株価の動きが長期トレンドより強いというシグナルである。市場参加者に「今が買い場だ」という心理的な安心感を与えたとみられる。
市場の不安感を示す変動性指数(VIX)、いわゆる「恐怖指数」は急速にしぼんだ。VIXは過去4日間で35%以上下落し、これは4月中旬以降で最も急な下げ幅である。ウォール街で「不確実性が和らいでいる」という安堵感が広がっている証左だ。
銘柄別では人工知能(AI)関連のビッグテック企業が躍進した。とりわけオラクルはドイツ銀行が投資判断をポジティブに維持したことを受け、4%超の急騰となった。
足元でAI半導体の競争激化懸念から伸び悩んでいたエヌビディアも懸念を振り払い反発に成功した。エヌビディアの上昇はデル、ヒューレット・パッカード・エンタープライズなど関連ハードウエア企業の同時高をけん引し、ナスダック指数を押し上げた。マグニフィセント7(M7)と呼ばれる主要テック株が再び市場の主導権を握る様相だ。
CNBCは専門家の話として「通例、感謝祭の週は株式市場が強含む傾向がある」とし、「皆が気分の良い連休を前にしており、市場ムードも非常にポジティブ(Everyone's feeling good)」と伝えた。
経済指標も相場を支えた。この日発表の週間新規失業保険申請件数は、市場予想(小幅増)に反して前週比で小幅減少となった。これは米国の労働市場がなお堅調さを維持していることを意味する。景気後退への懸念を和らげつつ、FRBの利下げの根拠を損なわない程度の「ゴルディロックス(熱すぎず冷たすぎない状態)」な指標と解釈されたとブルームバーグは伝えた。
債券市場も安定を取り戻した。ベンチマーク金利である米10年債利回りは4.00%水準で大きな変動なく取引を終えた。ドイツ10年債利回りは2.67%、英国10年債利回りは7bp(1bp=0.01%ポイント)低下の4.42%となり、グローバル債券市場も全体的に安定した動きだった。
ドルの価値は下落した。ブルームバーグ・ドル現物指数は0.3%下落した。ドル安は米企業の輸出競争力を高め業績改善に寄与し得る点で、ニューヨーク市場では好材料と分類される。円相場は1ドル=156.49円と円の価値が0.3%下落(為替レート上昇)し、ユーロとポンドは堅調だった。
暗号資産市場も総じて強含んだ。ビットコインは前営業日比3.2%高の8万9826.92ドルとなり、9万ドルの大台突破を目前にした。イーサリアムも3.3%高の3025.99ドルで取引され、リスク資産選好がコイン市場にも広がっていることを示した。
国際原油も上昇した。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は1.2%高の1バレル=58.62ドルで取引を終えた。金価格も0.9%高の1オンス=4167.78ドルを記録した。
ニューヨーク市場は27日(現地時間)、感謝祭で休場となる。翌28日は午後1時に早期閉場する。専門家は、連休期間の消費心理を示す「ブラックフライデー」の販売実績が今後の年末相場の方向性を左右すると見込んでいる。