「少なくとも今後3年間は人工知能（AI）バブルがはじける可能性は低いとみている。」
中国の主要ビッグテック（大手テック企業）であるアリババが第3四半期の業績を発表し、AIバブル論を正面から反駁した。26日付の中国経済メディア「第一財経」によると、ウーヨンミン最高経営責任者（CEO）が前夜の決算発表カンファレンスコールでこう述べ、アリババクラウドのAIサーバーの供給ペースが顧客需要に深刻に追いついておらず、未消化の受注残が継続的に積み上がっていると語った。
ウーCEOはAIに対する顧客需要は依然として非常に強力だと述べた。ウーCEOは「今年下半期から世界的にストレージメーカー、CPU、AIサーバーなど多様な分野で供給不足が生じており、AI需要がサプライチェーン全体の増設を促す一つのサイクルを形成している」と説明した。
ウーCEOは少なくとも2〜3年にわたる増設サイクルが続くとみており、少なくとも今後3年間はAIリソースが供給不足の状態を維持すると予測した。アリババの自社GPUリソースはもちろん、米国内の新設GPU設備もほぼフル稼働の状態であり、さらには3〜5年前の世代の旧型GPUに至るまで稼働率が飽和状態だと述べた。
ウーCEOは需要面に加え、AIファウンデーションモデルの持続的な性能向上がAI産業への期待を拡大し続けていると述べた。あわせて、AIモデルが遂行できるタスクは今後も増え、適用可能な産業シナリオも拡大しており、産業全体の浸透率も引き続き高まるとの見通しを示した。
これを受けアリババはデータセンターとAIサプライチェーンの構築スピードを最大限まで引き上げている。過去に「3年間で3800億元（約78兆ウォン）」と計画していたインフラ投資計画について、ウーCEOは「今見るとこの数値はやや保守的に設定されたようだ」と述べ、追加投資の可能性を示唆した。
一方、アリババは第3四半期に市場予想をやや上回る売上高を計上した。第3四半期の売上高は2477億9500万元（約51兆ウォン）で前年同期比5%増だった。すでに売却した小売企業のガオシンリンショウ（高鑫零售）とインタイ（银泰）の売上を除くと、売上成長率は15%に達する。
しかし収益性は大きく悪化した。営業利益は前年比85%急減の53億6500万元（約1兆1050億ウォン）を記録し、キャッシュフローの主要指標である調整EBITDAは前年比78%減の90億7300万元（約1兆8536億ウォン）となった。
ユーザー体験の改善と大規模投資が要因だった。シュイホン最高財務責任者（CFO）は「短期の収益性を犠牲にしてでも、利益とフリーキャッシュフローを将来の成長基盤に再投資している」と述べた。実際、過去1年でアリババはAIおよびクラウドインフラに約1200億元（約24兆7212億ウォン）を投資した。
こうした中でクラウド事業の安定的な成長が一部の緩衝材として機能した。クラウド事業を統括するアリババクラウド・インテリジェンス・グループは第3四半期に398億2400万元（約8兆2041億ウォン）の売上を計上し、前年同期比34%成長した。これは過去最高の成長率であり、AI関連製品の売上が9四半期連続で3桁の成長率を達成した。第3四半期の調整EBITDAは36億400万元（約7426億ウォン）で前年同期比35%増となった。