ドナルド・トランプ米国大統領がウクライナ戦争終結に向けた交渉を加速している。表向きにはウクライナの姿勢を問題視して不協和音を出したが、水面下では相当な進展を遂げたという評価だ。ホワイトハウスは双方の意見の相違が縮まったとして平和協定の締結に楽観的な見方を示した。ただし領土割譲などの核心争点をめぐりウクライナ内部の反発がなお根強く、最終合意まで難航が予想される。
キャロライン・レビットホワイトハウス報道官は24日(現地時間)のフォックスニュースのインタビューで「トランプ大統領は合意が成立し得るという点について依然として希望を持ち、楽観している」と明らかにした。レビット報道官は「ジュネーブで行われた交渉以降、両国の間で非常に生産的な対話が交わされた」とし「現在、双方が調整中の相違点はほんの数ポイントにすぎない」と説明した。
これは前日にトランプ大統領が示した反応とはやや異なる空気だ。トランプ大統領は先だって23日、ソーシャルメディアのトゥルースソーシャルに「ウクライナ指導部は戦争を終わらせようとするわれわれの努力に対し感謝を全く示していない(zero gratitude)」と公然と非難した。交渉力を高めるための圧力戦術だったとみられる。
その後、実務交渉は一気に進んだ。マルコ・ルビオ国務長官指名者とスティーブ・ウィトコフ中東特使は24日、ジュネーブでウクライナ代表団と会い、米国が提案した「28項目の平和案」をめぐって長時間の協議を行った。ボロディミル・ゼレンスキーウクライナ大統領もトランプの「感謝の欠如」発言を意識したのか、ソーシャルメディアにエストニア、スウェーデンなど各国首脳に謝意を示す投稿を相次いで上げ、雰囲気の管理に乗り出した。
カギは平和案にどのような具体的内容が盛り込まれるかという点だ。CNNやロイターなど海外メディアによると、米側の草案にはウクライナに不利な内容が多数含まれた。ルハンシク、ドネツク、クリミア半島を事実上ロシア領と認め、ヘルソンとザポリージャは現在の前線を基準に凍結する内容が入った。またウクライナ軍の兵力を平時60万人に制限し、協定締結後100日以内に選挙を実施するよう求めた。
一方、欧州側が示した修正提案はウクライナの立場を大幅に反映した。領土の強制割譲条項を削除し、NATO(北大西洋条約機構)加盟問題も加盟国の合意に委ねるよう修正した。交渉の順序に関する意見の相違も拮抗している。アンドリュー・キャリーCNNアナリストは「欧州とウクライナは『先に停戦、後に交渉』を望むが、ウィトコフが主導した米国案は停戦を28項目の最終段階に先送りした」と分析した。
ロシアは米国案を歓迎する雰囲気だ。クレムリンは米国の提案が「原則として最終的な平和合意の基礎になり得る」という立場を示した。ウラジーミル・プーチンロシア大統領は、当該案がこの前のアラスカでの米露首脳会談の議論内容と一脈通じると述べた。
ウクライナは国運が懸かるだけに慎重な反応を示している。ゼレンスキー大統領は「トランプ大統領と直接、敏感な問題を議論する」として含みを持たせた。しかし「被害を受けた国家がなぜ主権を放棄しなければならないのか」と問い返す内部の反発が強い。キラ・ルディクウクライナ議員はCNNのインタビューで「いかなる領土であっても放棄することは憲法に反するレッドラインだ」とし「国民投票なしには不可能な決定だ」と述べた。専門家も懐疑的な見方を示した。ジェフリー・エドマンズ元国家安全保障会議(NSC)ロシア担当理事は「ロシアには交渉過程を引き延ばす誘因が十分にあり、ロシア側でも同意しない要素が明確に存在する」と指摘した。
トランプ側は支援停止をテコにウクライナへの圧力を続ける見通しだ。レビット報道官は「われわれが永遠に支援することはできない」とし「トランプ大統領はこの戦争を終わらせたいと望み、平時の大統領(peacetime president)になろうとしている」と強調した。