米国の保守陣営の若い女性の間で、人生の「季節」を分けて家族とキャリアの順序を再配置する流れが広がっているとの分析が出ている。彼女たちは20代に結婚・出産を先に選び、30代以降に本格的に経歴を積む方式を選んでおり、これは従来のキャリア優先モデルを揺さぶる変化と評価されている。
22日（現地時間）ウォールストリート・ジャーナル（WSJ）によると、保守性向の活動家イザベル・ブラウン（28）は昨年結婚し、今年第1子を出産した。ブラウンはポッドキャストの司会と保守団体「ターニングポイント」の代表活動を並行し、「若い世代が家族を先に築く生き方により大きな意味を感じ始めた」と語った。この流れを説明する言葉「季節」は聖書の伝道の書に由来し「人生の各時点にふさわしい役割がある」という意味で用いられている。
こうした変化は統計でも確認された。米国総合社会調査（GSS）の分析によると、昨年時点で18〜35歳のリベラル女性の約75%が子どもを持たない一方、保守女性の無子率は約40%にとどまった。わずか15年前、両集団の差が5%ポイント（p）だった点を踏まえると、格差が大きく広がった格好だ。研究者は、リベラル陣営は「ディンク（共働き・無子）」モデルを好む一方で、保守陣営は依然として「出産を人生完成過程の一部とみなす傾向が強い」と説明した。
保守陣営の女性団体もこの流れを積極的に後押ししている。保守性向の非営利団体クレアブースルースセンターのキンバリー・ベグ会長は、新型コロナのパンデミック以降に勤務形態が柔軟になった点を活用し、対面勤務時間を午後2時までに調整した。ベグは「家族と過ごす時間を構造的に保障してこそ女性は仕事を続けられる」と述べた。ベグ会長は過去の頻繁な出張で子どもの養育を逃した経験を振り返り、「仕事と家族を同時に完璧に得ることは不可能だが、各『季節』に合った選択は可能だ」と語った。
政策分野でも「季節」戦略を実践する事例が増えている。エマ・ウォーターズ・ヘリテージ財団分析官は2人の子どもを育てながらリモートで働いている。ウォーターズは「キャリアの機会を一部あきらめたが、最も重要な優先順位は子どもだ」とし、若い母親が柔軟に働ける社会的支援を拡大すべきだと主張した。
保守陣営は、この流れが単なる家族価値の回復を超え、Z世代が抱える「孤独」やアイデンティティ不安を解決する方向につながり得るとみている。ブラウン・ターニングポイント代表は「結婚と出産が自由を制限するという通念は事実ではない」とし「人生の意味は関係から生まれる」と述べた。ブラウンは講演や旅行に娘と一緒に同行し、「家族の生活がむしろ活動を豊かにする」と強調した。
専門家は、保守性向女性の選択が労働市場と文化的規範に長期的な影響を与える可能性があると展望する。他方で、所得構造が脆弱な家庭や非柔軟的な職業環境ではこのモデルをそのまま適用しにくいという指摘も出ている。