米国疾病予防管理センター(CDC)が数十年にわたり関連性を否定してきた「ワクチンは自閉症を引き起こさない」という従来の立場を変更することになった。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)は21日(現地時間)、「ワクチン陰謀論」の信奉者であるロバート・ケネディ・ジュニア米保健福祉長官がCDCにこのような指示を出したと報じた。
ケネディ長官はワクチンの安全性研究が十分でない点を理由に挙げた。新生児が生後1年間に接種するB型肝炎ワクチンをはじめ、ジフテリア・破傷風・百日咳(DTaP)混合ワクチンと自閉症の関連性を検証する大規模研究が実施されたことがないという説明である。
これによりCDCのウェブサイトには「ワクチンは自閉症を引き起こさない」という文言とともに「証拠に基づいていない」という表現が追加された。また「上院との合意のため(文言自体は)削除しなかった」という注釈が付いた。
ケネディ長官は2月の上院人事聴聞の過程で、上院保健委員長のビル・キャシディ(共和党、ルイジアナ)議員の支援を得るため、CDCの文言を削除しないと約束した。しかしケネディ長官は「証拠に基づいていない」という表現を追加するという「抜け道」を用いて自身の持論を貫徹した格好である。
キャシディ議員は上院保健委員会にケネディ長官を出席させる方針だと伝えられている。ケネディ長官は「ワクチンが自閉症を引き起こす」という主張を長期間展開してきており、ドナルド・トランプ政権発足後の人事聴聞の過程でもこの主張を撤回しなかった。その後ケネディ長官は4月、CDCにワクチンと自閉症の関連性を研究するよう指示した。
医療専門家と科学者は強く反発した。米国小児科学会は「誤った主張に政府の資源を浪費するな」と批判し、世界保健機関(WHO)は「小児のワクチンが自閉症を引き起こすという証拠は存在しない」という立場を再確認した。