中国のショートフォーム専門企業クアイショウ(快手)が自社の人工知能(AI)モデルを成功裏に導入し、業績が改善した。ショートフォーム動画とライブ配信、電子商取引などを営むクアイショウは、ドウイン(抖音・中国版TikTok)などプラットフォームとの競争で明確な差別化が必要だった時点で、AI動画制作ツール「クリング(可灵・Kling)」の投入を皮切りに、AIモデルを各事業部門に全面活用して新たな成長軸を育てたとの評価を受けている。

クアイショウのロゴ。/ロイター連合ニュース

21日に公表したクアイショウの決算によると、7〜9月期の売上高は355億5400万元(約7兆3500億ウォン)で前年同期比14.2%増、営業利益は53億元(約1兆1000億ウォン)で前年同期比70%増となった。9月期末時点のクアイショウアプリのデイリーアクティブユーザー(DAU)は4億1000万人、マンスリーアクティブユーザー(MAU)は7億3000万人を突破し、前年同期比で2〜3%増加した。クアイショウは今年1〜3月期は業績が低迷したが、4〜6月期に回復基調へ転じ、7〜9月期に業績の上昇を実現した。会社は10〜12月期までこの流れが続くと見込んだ。

事業報告書によると、クアイショウの中核事業はショートフォームプラットフォームであり、最大の収益源は広告である。このほかライブ配信と電子商取引分野でも売上を上げており、オフライン店舗の割引・予約券を販売するO2O(オンラインとオフラインの連携)事業も行っている。

とりわけ昨年本格的に打ち出したAI事業が今年から有意な収益を生み始め、プラットフォーム事業に次ぐ主要事業として浮上した。クアイショウのAI事業は、▲動画生成モデル「クリング」と▲大規模モデルを活用したプラットフォーム収益の極大化の二つの軸で進められている。

◇ 動画制作ツール「クリング」、新たなキャッシュカウに浮上

クリングは現在、国内外の2万社以上の企業顧客に動画制作サービスを提供している。広告・マーケティング、映画・アニメーション、ゲーム制作などがターゲットだ。短編ドラマブランドと協業し、世界初のAI創作オムニバスシリーズ「ニュー・ワールド・イズ・ローディング(New World Is Loading)」を制作し、累計再生数2億回を記録して技術力を示した。

クアイショウのAI映像生成ツールで制作したオムニバスシリーズ「ニュー・ワールド・イズ・ローディング(中国名「新世界ローディング中」)」。AIをテーマにしたSFシリーズで、全180分の7話で構成されている。/百度のキャプチャー

クアイショウは7〜9月期に「クリング2.5ターボ(Turbo)」モデルを正式発売した。現地証券のドンファンツァイフによると、新モデルは従来より読解力、動きの表現力、美学的効果、スタイル一貫性などの性能が向上した。これによりユーザーの指示をより正確に解釈して遂行し、ストーリーテリングが強化された、より生々しいシーンを生成できるようになった。同時にエンジニアリングを最適化し、1080p動画の生成コストを約30%削減した。

機能が継続的にアップグレードされる中で、7〜9月期末時点のクリングのグローバルユーザー数は4500万人を突破した。累計生成数は動画2億本、画像4億枚を記録した。クリングは1〜9月期に合計7億元(約1447億ウォン)の売上を上げ、年末には10億元(約2067億ウォン)を突破するとクアイショウは見込んだ。これは年初目標の2倍以上だ。

経営陣はAI動画生成市場が次第に成熟すると見通した。チェンイーシャオ(程一笑)最高経営責任者(CEO)は最近の決算発表カンファレンスで「AI動画生成技術はまだ初期段階だが、非常に速いスピードで発展している。急速な技術進化と製品形態の探索が進行中だ」と述べ、「クアイショウのクリングは『グローバル1軍』陣営に属している」と評価した。

チェンCEOはOpenAIの動画制作ツール「ソラ(Sora)」などが人気を集め、AIで生成された動画が一般消費者と相互作用する流れに言及しながら「こうした変化により一般消費者向け動画生成アプリの商用化のスピードが目に見えて速まり、商業化の可能性が一段と拡大している」と語った。そのうえで今後クリング技術のプロダクト化と商業化を一段と加速する計画だとした。

グラフィック=ソン・ミンギュン

◇ 大規模モデルを適用し既存事業の収益を極大化

クアイショウのAI技術は既存のプラットフォーム事業にも全方位的に適用され、売上を伸ばしている。クアイショウは用途別の大規模モデルを、プラットフォーム内の広告、ライブ配信、電子商取引など既存事業に適用した。レコメンドモデル「OneRec」は、ユーザーの嗜好に合う動画と商品を予測・推奨し、滞在時間と再訪率を高めた。電子商取引用の検索モデル「OneSearch」は商品マッチングの正確度を改善するために投入され、7〜9月期のモール検索による注文量を5%増やすことに寄与した。

その結果、プラットフォーム事業の最大の収益源である広告売上は7〜9月期に201億元(約4兆1565億ウォン)を記録した。これは前年同期比14%の増加で、全売上の56%を占めた。クアイショウはAI技術が国内広告収益の増加分のうち約5%に寄与したと明らかにした。

電子商取引プラットフォームの業績指標の一つである流通総額(GMV)は7〜9月期に前年同期比15%以上増の3850億元(約79兆6141億ウォン)を記録した。クアイショウは、プラットフォームが多様な販売者支援策、トラフィック支援、AIなどを活用した「インテリジェントツール」などを提供し、販売者がより多くの顧客を呼び込み、より厚みのある運営体制を構築できるようにしたためだと説明した。

AIの効果を存分に得たクアイショウは、技術の高度化に継続的に投資する計画だ。ジンビン(金秉)最高財務責任者(CFO)は「会社は現在、コンピューティングパワー(演算能力)への投資を継続的に拡大しており、特に学習用の演算資源を大幅に強化してクリングの技術競争力を維持している」と述べた。そのうえで「今後の投資の方向性は、演算インフラのアップグレードと技術の深化に集中する」と明らかにした。

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