米下院が事実上満場一致でエプスタイン文書公開法を可決

米国下院が法務省に性犯罪者の故ジェフリー・エプスタイン事件資料の公開を強制する法案を、事実上満場一致の水準で可決した。エプスタイン事件とドナルド・トランプ米大統領の連関疑惑を提起してきた民主党に加え、与党の共和党からも賛成票が集中したためである。

19日（現地時間）、下院（定数435人）は本会議で賛成427、反対1で当該法案を可決した。この法案は民主党のロ・カナ議員と共和党のトーマス・マッシー議員が共同提出し、トランプ大統領の熱烈な支持者として知られる共和党のクレイ・ヒギンズ議員が唯一反対票を投じたとされる。

下院を通過した法案は上院の採決を経て大統領の署名により正式に施行される。上院は早ければ同日にも採決に臨む予定で、これに先立ちトランプ大統領は法案が最終可決されれば拒否権を行使せず署名する方針を明らかにしていた。

トランプ大統領と共和党指導部はこれまでエプスタイン文書の公開要求を「民主党の詐欺劇」と一蹴し、法案採決を阻止しようとしてきた。しかしトランプ大統領は16日、ソーシャルメディア（SNS）を通じて突如共和党議員に賛成票を投じるよう促し、立場を転換した。共和党内部ですら法案を通過させようとする機運が感知されると、選択肢がなくなったトランプ大統領が強硬策に出たとみられる。

同日、トランプ大統領はホワイトハウスでムハンマド・ビン・サルマン・サウジアラビア皇太子と二者会談を行うなか、取材陣から関連質問を受け、「自分はエプスタインと何の関係もない」とし、「エプスタインのイシューは民主党の詐欺だ」と重ねて強調した。