米国がベネズエラ政権を狙い軍事力と外交的圧力を同時に強化するなか、米国が究極的に何を目指しているのかという疑問が高まっている。米海軍の戦力移動と周辺国での訓練強化にまでつながると、「軍事介入を準備しているのではないか」という見方も出ている。こうした状況で、最近のベネズエラ情勢が1989年の米国のパナマ作戦当時と類似しているとの分析が出た。
18日(現地時間)、ホワイトハウスの安保高位参謀出身であるブレット・マクガークCNN分析官は、この日の寄稿で米国が追求する目標と関与方式がどの歴史的前例に近いのかを指摘しつつ、ベネズエラ危機の本質を説明した。マクガークは「現在のベネズエラ情勢はイラク侵攻とは全く異なり、むしろパナマ作戦により近い」と評価した。
マクガークは過去のバグダッド駐留経験に言及し、軍事力の行使には明確で達成可能な目標が必要だと強調した。マクガークは「ベネズエラ周辺で米軍が動いているが、これを直ちにイラク式の関与と解釈するのは早計だ」と評価した。
マクガークはニコラス・マドゥロ政権の性格がパナマの独裁者マヌエル・ノリエガと類似していると分析した。マドゥロは麻薬テロ・腐敗容疑で米国で刑事起訴される危機にあり、米国政府は逮捕・送還に協力する者に最大5,000万ドルの懸賞金まで掛けた。マドゥロ政権は野党の選挙勝利を無効化し、デモ隊を暴力的に弾圧してきたうえ、米国人を事実上の人質として外交的てこに利用した。
米国は最近、海軍兵力の15%をベネズエラ周辺海域に配備し、すぐ隣の島国であるトリニダード・トバゴ近隣で海兵隊の地上訓練を並行するなど、軍事的プレゼンスを高めている。しかし米国政府は公式目標を明確に示していない。ピート・ヘグセス米国防長官は今回の作戦の目的を「祖国防衛と麻薬テロへの対応」とだけ説明し、政治・軍事的目標がどこまでなのか論争が続いている。
パナマの事例は、米国が1989年にノリエガ政権を2週間で除去し、民主的な政府移譲に成功した作戦である。しかしベネズエラは国土規模がパナマの10倍以上で地方権力の構造が複雑であり、マドゥロが主張する「数百万人の民兵」存在の有無まで変数として作用し、当時と異なり内戦の可能性も排除できないとの指摘が出ている。さらにロシア・中国がマドゥロ政権を支持している点もパナマとの大きな違いである。
それでもマクガークは「マドゥロ追放は米国とベネズエラ国民双方の利益に合致する」と主張した。ベネズエラはチャベス・マドゥロの執権以降、1人当たり所得が70%以上減少し、大規模な難民移動が続いて国家機能が崩壊しているためである。信頼できる世論調査でも、国民のおよそ75%が政権交代を望むと示された。
ただしマクガークは、軍事的な政権交代はトランプ政権が好まない可能性が高いと評価した。代わりに、▲マドゥロ側の中枢麻薬カルテル勢力の排除▲近隣国であるガイアナへの領有権主張の撤回▲国際的監視が参加する再選挙の強制▲マドゥロの海外(ロシアなど)亡命の誘導などが、現実的な圧力カードになり得ると展望した。
マクガークは「ベネズエラでの米国の目標はパナマのように最小の軍事力で最大の効果を上げることだ」とし、「軍事力は究極的な関与ではなく、交渉力を高める手段になり得る」と分析した。マクガークは最後に「何よりも議会の公開討論が必要だが、現在ワシントンの政治的まひがそのプロセスさえも塞いでいる」と指摘した。