香港の金融界と規制当局が、1997年のアジア通貨危機以降で最も深刻な不動産市場の低迷兆候が出ていると警鐘を鳴らした。ここ数カ月、事実上香港の中央銀行機能を担う香港金融管理局(HKMA)は、銀行の不良債権化の可能性や小規模デベロッパーへの信用枠拡大の可否などを一段と厳格に精査している。銀行は数千億ドル規模の不動産関連融資を裏付ける担保の価値を再評価すべきだという内部警告を受けている。
18日(現地時間)のブルームバーグ通信によると、商業用不動産が香港経済の中核として残るなか、多くのバンカーと不動産コンサルタントは、規制当局が小規模デベロッパーにまで管理範囲を広げた点を「市場不安がさらに拡大した兆候」と評価した。これに対しHKMAの報道担当者は「銀行が危険な融資を慎重に扱うよう求めるのは長年の基本原則だ」と明らかにした。
香港の住宅用・商業用不動産は最近いずれも弱含みが鮮明になっている。不動産調査機関のグローバル・プロパティ・ガイドによれば、香港の住宅用住宅価格は1〜3月期時点で前年比約7.8%下落し、高級住宅市場は4〜6月期時点で前年同期比約14.3%急落した。香港の商業用オフィス市場もここ数年の供給過剰が積み上がり、空室率が高水準で推移している。こうした流れのなかでHKMAは、銀行に対し既に貸し出した融資を再実行するかを問うリファイナンス取引への参加可否や、担保価値下落リスクなどを月次で点検しているとの内部報告が出た。
香港の不動産低迷の要因としては、まず香港自体の需要基盤の弱体化が挙げられる。米中対立の深刻化でグローバル企業が香港をアジア本部とすることに負担を感じ始め、この流れはパンデミック後に一層鮮明になった。実際に外資系の金融・コンサルティング・テック企業がシンガポールなどへ移転し、オフィス需要が減少し、高所得の外国人が流出して住宅需要も弱まった。そこに人口流出まで重なり、香港がグローバル・ビジネス・ハブという基盤が揺らぐことになった。
さらに金融環境の悪化と供給過剰が衝撃を増幅した。香港はドルとの通貨連動制を維持しているため、米国金利が上昇すれば香港も追随して金利を引き上げなければならない。このためデベロッパーと家主はいずれも高金利負担を抱え、借入コストの増加で資金繰りが急速に悪化した。供給面ではパンデミック前に進んだオフィス・リテール開発が一斉に市場に出て空室率が上昇した。ところがパンデミック後は在宅・ハイブリッド勤務、オンライン消費拡大といった構造的な需要変化が進み、賃料が回復する環境が整わなかった。
これにより香港の銀行界も直接的な圧力を受けている。ロイター通信によれば、一部銀行の貸出ポートフォリオで商業用不動産向け融資の比率が銀行システム全体の貸出の約8%水準にまで上昇しているとの資料が公表された。とりわけデベロッパーのライサン開発の場合、年初に36億香港ドル(約6778億ウォン)規模のリファイナンス交渉の過程で、貸出機関の半数のみが信用延長を検討し、HKMA関係者から電話を受けた銀行が複数あったとの証言も出た。このように借入・リファイナンスの圧力が現実となり、規制当局の介入の強度も目に見えて強まった。
それでもHKMAは「銀行システム全体の自己資本比率は依然として十分だ」という立場を繰り返してきた。ただし専門家は「不動産の急落という単一要因よりも複数要因が重なった構造的な下落局面に入った」とし、「同時多発的な出口戦略が必要だ」と強調した。一部は「市場崩壊が差し迫っていることを示す直接的証拠はまだ見当たらないが、複数の企業が同時に撤退しようとする可能性はいつでもある」と警告した。