中国政府が留学や旅行などで日本訪問を控える自国民に注意を呼びかけた。先に高市早苗日本総理の台湾関連発言で両国間の外交対立が激化し、政府が日本との交流に閂をかけていると受け止められる。
17日(現地時間)に中国国営CCTVは教育部を引用し、「日本における中国人への危険が高まっている」として、留学中の学生と留学予定の学生の双方に現地の治安状況を綿密に把握するよう勧告すると報じた。
先に高市総理は「中国の台湾に向けた武力攻撃が起きれば(日本の)『存立危機事態』に該当する可能性がある」と発言し、これを機に中国と日本の関係は急速に冷え込んだ。『存立危機事態』とは周辺国の事態などで日本の領土・国民に大きな脅威がある場合、日本が直接攻撃を受けていなくても集団的自衛権を行使できる状況を指す。日本の現職総理が台湾有事を存立危機事態だと公式に言及したのは前例がない。
これをめぐり、ついには薛剣大阪総領事が自身のソーシャルメディア(SNS)に「勝手に攻め込んできたその汚い首を刎ねるしかない。覚悟はできているのか」と投稿するなど、強い表現の発言を続けた。これに対し木原稔官房長官は「極めて遺憾」と抗議したが、中国政府は逆に「高市総理の発言は(一つの中国原則に対する)日本政府の政治的約束に深刻に反する」と応酬した。
中国政府はすでに措置に動いている。14日に中国外交部は日本の政治指導者が台湾に関して露骨な挑発を行ったと指摘し、中国国民に日本旅行の自粛を勧告した。在日中国大使館は公式ウィーチャットアカウントで「中国外交部と在日中国大使館・総領事館は、近く日本を訪問することに厳重な注意が必要だとお知らせする」と明らかにした。
訪問自粛の勧告は日本経済に実質的な影響力を発揮する可能性が大きいとみられる。今年9月までに日本を訪れた外国人3165万500人のうち中国人は748万7200人で約24%に達した。中国系航空会社を含む航空会社6社も日本行き航空券を取消・変更する場合の手数料を免除するなど、政府と歩調を合わせている。
軍事面でも対立は拡大する様相だ。中国海警は16日に東シナ海の尖閣諸島を巡回したほか、17日からは3日間、黄海一帯で実弾射撃訓練を実施する。訓練区域は中国と韓国の排他的経済水域が重なる地点近くで、日本と韓国に圧力をかけ得る地域だと分析される。
一方、日本は核兵器を持ち込めるように「非核三原則」の再検討に乗り出した。日本は被爆国として1967年から「核兵器を製造せず、保有せず、持ち込ませず」とする内容の「非核三原則」を堅持してきた。しかし最近、共同通信など日本の主要メディアによると、高市総理は与党の自民党に「非核三原則」の再検討を要請したという。「非製造」と「非保有」は維持しつつ、有事の際に米国の核抑止力を活用できるよう「非持ち込み」原則を再検討するというものだ。
日本政府内では今回の対立が長期化する可能性があるとの分析も出ている。朝日新聞は「日本と中国がより強硬な措置を続ければ、尖閣諸島をめぐって両国関係が最悪に陥った2012年の状況が再現される可能性がある」と伝えた。