英国や米国などでMZ世代がクルーズ産業の中核消費層として台頭し、パンデミック後の業界回復を牽引している。新型コロナウイルス感染症流行当時、感染懸念で運航が中断され直撃を受けたクルーズ産業は、若年層の流入を土台に前年から強い反騰基調を続けている。
13日(現地時間)英国フィナンシャル・タイムズ(FT)によれば、クルーズ業界はパンデミック期の売上不振から脱するため、公海上で滞在して戻ってくる「どこにも行かないクルーズ」のような独特のプログラムを打ち出した。これを機に一部の若年層にはクルーズ旅行への好感が形成された。またエンデミック以後、低価格、利便性、多様な施設が組み合わさったパッケージプログラムが登場し、「クルーズ旅行者は高齢層」という既存のイメージを大きく変えた。英国旅行業協会(ABTA)によると、25〜34歳のうち過去1年でクルーズを経験した比率は2019年の「20人に満たない1人」から最近は「5人に1人」へと増加した。
大手運航各社は若年顧客を狙って戦略を強化した。運航社ロイヤル・カリビアンはデジタル予約システムの改編、超大型新造船の投入、短距離路線の拡大などを進め、これは業績改善につながった。ロイヤル・カリビアンの企業価値は約700億ドル(約100兆ウォン)でパンデミック前の2倍以上に上昇し、競合のカーニバルやノルウェージャンを大きく引き離した。3社はいずれも今年の収益見通しを上方修正した。
若年層を引きつけた最大の要因は「コストパフォーマンス」だ。ホテル・リゾート料金がパンデミック後に急速に上がる一方、クルーズ料金は相対的に低く維持され、「同じ金額で複数の都市を体験できる」という認識が広がった。人員構成もコスト削減に寄与した。クルーズ船社はフィリピン・インドネシアなど低所得国出身の人材を幅広く採用し、米欧の賃金インフレを一部回避できた。アナリストは、この点がパンデミック後もサービス品質を維持する基盤になったと評価した。
運航社はクルーズ船社が直接所有または長期賃借する専用島「プライベートアイランド」への投資も拡大している。ロイヤル・カリビアンの「ココケイ」は高い収益性を記録し、カーニバルとノルウェージャンも専用観光地の開発を急いでいる。港湾使用料の負担なしに陸上収益を確保でき、船社にとって安定的な収益源になっている。一部では、こうした専用目的地が既存の人気観光地の過度な混雑を分散する役割を果たせるとの見方もある。
しかし不確実性も残る。米国の旅行会社は最近の予約の流れが一時的に弱まったと報告し、物価上昇と政府機関の一部閉鎖(シャットダウン)、ハリケーンの影響などが消費の減速を刺激したと分析した。運航社がチケット価格の引き上げを進める流れは、インフレ負担を感じる消費者に否定的に作用する可能性もある。ロイヤル・カリビアンの株価が決算発表後に期待に届かなかったという理由で調整を受けた点も警戒シグナルとして示された。
それでも業界は依然として成長余地が大きいと見ている。若い世代のロイヤルティが高く、旅行市場全体でクルーズの比重が小さい点も拡張可能性を裏付けている。ただし専門家は「現在、レジャー市場全般で価格決定力が弱まっている」とし、過度な値上げ戦略は新規需要を損なう恐れがあると指摘した。