ウクライナが今冬、米国産の液化天然ガス(LNG)をギリシャを経由して供給を受けることにした。
16日(現地時間)にAFP通信などが伝えたところによると、ウクライナ国営エネルギー企業「ナフトガス」とギリシャ最大のガス公企業「DEPAコマーシャル」はこの日、共同声明を通じて「12月から2026年3月までウクライナに天然ガスを供給する協定を締結した」と明らかにした。
協定の署名式にはキリアコス・ミツォタキス・ギリシャ首相、ボロディミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領、ドナルド・トランプ米国大統領の長男トランプ・ジュニアの元交際相手で新たに駐ギリシャ米国大使に就任したキンバリー・ギルフォイルが出席した。
ミツォタキス首相は「両国関係がギリシャからウクライナまで、南から北へと続く強固な新規エネルギー動脈を通じて重大で新たな次元を迎えている」と述べた。
ゼレンスキー大統領の今回のギリシャ訪問は2023年以降で初めてである。ゼレンスキー大統領はギリシャ訪問後、フランスとスペインに移動し、ウクライナの防衛およびエネルギー支援策を協議する計画だ。
ゼレンスキー大統領はギリシャ訪問に先立ちこの日朝、テレグラムを通じて「ロシアの攻撃によるウクライナの生産損失を補填するために必要なガス輸入資金約20億ユーロ(約3兆ウォン)を調達する」とも明らかにした。
ウクライナは天然ガス生産国だが、ガス貯蔵庫や採掘施設がロシアに爆撃されたりロシア軍の占領地域に位置しており、ガス生産量が急減した。このため冬季の暖房需要を賄うには輸入ガスの確保が不可欠である。
一方、ギリシャはこれまでロシア産ガスを導入し周辺国へ再販売してきた。しかし欧州連合(EU)が2027年からロシア産ガスの輸入を全面禁止することを決め、米国産の輸入を拡大している。ロイター通信によると、ギリシャは7日に米国と合意し、2030年から年間7億㎥規模の米国産LNGを導入することにした。供給はDEPAとエネルギー企業アクトル(Aktor)が米国のベンチャー・グローバルと合弁した会社を通じて実施される予定だ。
クリス・ライト米国エネルギー長官は最近ギリシャを訪れた場で「ギリシャはロシアが支配するエネルギー供給網の終着地だった」とし「しかし今日、米国エネルギー貿易の欧州進出の玄関口になる」と述べた。