イーロン・マスクが率いる電気自動車メーカーのテスラが「米国で生産する車両に中国製部品を使用しない」という目標を掲げ、サプライチェーンの再編を加速しているとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が15日(現地時間)に伝えた。

米中間の地政学的緊張が激化し、強力な関税の壁が現実となる中、世界最大の電気自動車市場である米国で中国依存を完全に断ち切ろうとする戦略的な動きである。専門家はこれを、グローバルなサプライチェーンが政治的理由で急速に再編される「デカップリング(分離)」現象を端的に示す事例と指摘した。

この日WSJは、主要関係者を引用し、テスラが年初から米国内の工場に部品を供給する主要サプライヤーに対し「中国製部品の完全排除」を求め始めたと報じた。テスラとサプライヤーはすでに一部の中国製部品を他地域で生産された部品に置き換える作業を完了した。この関係者によれば、テスラは今後1〜2年以内に残るすべての部品も中国以外の地域の生産品へ転換することを目標としている。

8日、中国・上海で開かれた第8回中国国際輸入博覧会(CIIE)の自動車・スマートモビリティ会場に設けられたテスラのブース。/聯合ニュース

テスラのこうした脱中国戦略は、実のところ数年前から進んでいた。WSJは、テスラが新型コロナウイルスのパンデミック当時に中国発の部品調達で深刻な支障をきたして以降、中国依存を減らそうと努めてきたと伝えた。当時テスラは、シートカバーや金属ケーシングなどを製造する中国の協力企業に対し、メキシコや東南アジアに工場や倉庫を建設するよう促した。

この戦略が急加速する契機となったのは、今年に入りドナルド・トランプ米大統領が中国製輸入品に対して強力な関税を課し始めてからである。テスラ経営陣は米中貿易戦争により関税水準が乱高下し、深刻な不確実性に直面した。これは一貫した車両価格戦略を策定するうえで大きな障害となった。

ここに最近激化した地政学的対立が加わり、テスラの「中国なしのサプライチェーン(China-free strategy)」戦略に火が付いた。とりわけ、最近表面化した車載半導体の供給支障は、テスラ内部でサプライチェーン多角化を急ぐべきだという議論を引き起こしたとWSJは伝えた。自動車業界は今春、中国が自動車生産で広く使われる特定の希土類と磁石の輸出制限に踏み切ったことで全体が揺らいだ。

テスラの脱中国戦略で最大の難関はバッテリーである。とりわけ価格競争力の高いLFP(リン酸鉄リチウム)電池は代替が最も難しい部品とされる。中国のCATL(寧徳時代)はテスラのLFP電池の中核サプライヤーだった。

テスラは昨年まで中国製LFP電池を搭載した車両を米国で販売していた。しかしこれらの車両が米国政府の電気自動車(EV)税額控除の適格要件を満たせず、高率の輸入関税まで課されたことで、結局米国内での使用を中止した。

テスラは現在、米国内でLFP電池を直接生産するために取り組んでいる。10月にネバダ州で建設中の関連施設が2026年第1四半期に稼働を開始する見通しだと明らかにした。

現在、米国はテスラの最大市場であり、米国の道路を走るテスラ車はすべてカリフォルニアやテキサスなど米国内の工場で生産されている。一方、中国の上海工場は約400の現地サプライヤーから部品を受け取り車両を生産する。中国製のテスラは中国の内需市場やアジア、欧州などで販売されるが、米国市場には入ってこない。

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