リスク資産に対する投資心理が冷え込み、ニューヨーク市場の主要3株価指数は下落して始まった。
14日（現地時間）午前10時6分現在、ニューヨーク証券取引所でダウ工業株30種平均は前日比570.35ポイント（1.20%）安の4万6886.87を付けた。S&P500種指数は前日比45.28ポイント（0.67%）安の6692.21、ナスダック総合指数は前日比147.05ポイント（0.64%）安の2万2723.30となった。
人工知能（AI）を巡るバリュエーション（業績に対する株価水準）への懸念も株価の重荷となっている。エヌビディアがデータセンター向けのAI中心プロセッサーを初めて公開したのが2018年、ChatGPTでAIの時代が開かれたのが2022年後半であるだけに、GPUの実際の減価償却にどれほど時間がかかるのかについての結果値が不足している。
映画「ビッグ・ショート」の実在モデルの一人であるマイケル・バリーがこれに関連して11日、AI企業が2〜3年の製品サイクルでチップを買い込み、有効寿命を延長して減価償却を増やす方式で利益を膨らませていると指摘し、ウォール街内でも不安感が広がっている。
12月の利下げ期待が大きく後退したことも投資心理を萎縮させた。米連邦準備制度理事会（Fed・FRB）が利下げに踏み切るよりも決定を据え置く可能性が高いとの見方に重みがかかっている。
業種別に見ると、米小売チェーンのウォルマートは最高経営責任者（CEO）交代の報で株価が1%以上下落した。半導体製造装置のアプライド・マテリアルズは会計年度第4四半期の業績が予想を上回ったものの、通期売上高ガイダンスに輸出規制による中国売上減少懸念が織り込まれ、株価は2%超下落した。オンラインのチケット再販プラットフォームであるスタブハブは第4四半期の業績ガイダンスを示さないと明らかにし、株価が25%急落した。