米国ニューヨークで新築される住宅用建物の間で「99世帯」設計が広がっている。不動産デベロッパーがニューヨーク州の税制優遇プログラムを利用する際、100世帯以上からは労働者に一定水準の最低賃金を支払わなければならないため、世帯数を増やす余地があっても意図的に99世帯に合わせて設計しているためだ。
13日（現地時間）にブルームバーグがニューヨーク不動産委員会（REBNY）の報告書を引用して報じたところによると、デベロッパーが今年第3四半期に提出した99世帯規模の建物許可申請は21件となった。これは過去16年（2008〜2023年）に受理された合計13件より多い数値である。また第3四半期に受理された99世帯以下の建物申請は194件で、全住宅用建物申請の90%に達した。
デベロッパーが一斉に99世帯に固執する理由は新たに導入された賃金規定にある。ニューヨーク州議会は昨年、485-x税控除プログラムを可決したが、このプログラムは世帯数に応じて定められた比率の低所得者向け住宅を確保すれば、不動産デベロッパーに最長40年間の固定資産税免除を与える。
問題は、100世帯以上の建物の場合、建設労働者に時給最低40ドル（約5万9千ウォン）を支払い、毎年2.5%ずつ賃金を引き上げるよう規定している点である。150世帯以上規模の建物を建設する場合、労働者に最低時給63ドルを支払わなければならず、毎年2.5%ずつ賃金も引き上げなければならない。一方で99世帯以下の建物にはこうした賃金要件は適用されない。
ブルームバーグは「デベロッパーがより高い人件費を避けるために、正確に99世帯規模の建物申請を増やす現象が起きている」と伝えた。REBNYの研究陣とデベロッパーは、485-xが大規模プロジェクトが以前の税控除プロジェクトより住宅供給を萎縮させると主張した。
実際に不動産デベロッパーのメリーアン・ギルマーティンは、ニューヨークに400世帯規模の賃貸用アパート2棟を建設する計画だったが、485-x要件を考慮し、現在は棟当たりの世帯数を減らし、合計6棟のアパート建設を検討中である。メリーアン・ギルマーティンは、この計画変更にはより多くの時間と費用がかかるが、財政面ではより有利な選択だと説明した。
ただし、485-xによる住宅開発の増加はある程度確認されたとブルームバーグは伝えた。REBNYの資料によると、デベロッパーは2025年第3四半期に207件の集合住宅プロジェクトを申請し、これは前年比152%増の数値である。
REBNYの対外協力・政策戦略副社長ザカリー・スタインバーグは「政策立案者と関係団体は今四半期の住宅生産の増加に安住してはならない」と述べ、「今回の増加は10年以上続く住宅不足の状況の中で出てきたものであり、これを解決するには99世帯規模のプロジェクト増加だけでは十分でない」と語った。