第30回気候変動枠組み条約締約国会議(COP30)首脳会議が開幕する中、南米の主要国が化石燃料開発をめぐって相反する動きを見せている。ブラジルは石油掘削による政策財源の確保を、コロンビアは急進的な脱炭素政策による環境保護を推進しており、正反対の道を歩んでいるためだ。
6日(現地時間)フィナンシャル・タイムズ(FT)は両国の首脳に焦点を当て、南米の主要国がエネルギー転換をめぐり分かれた路線を選んでいると報じた。いわゆる「環境大統領」として地歩を固めたルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ・ブラジル大統領はアマゾン河口の開発を承認して物議を醸す一方、グスタボ・ペトロ・コロンビア大統領は逆に化石燃料の生産を一切停止し、環境配慮型農業を中心とする経済への転換を宣言した。
ルラ大統領は2023年の再就任以降、アマゾンの森林伐採率を大幅に減らして「気候リーダー」のイメージを築いたが、最近になって国営石油企業ペトロブラスのアマゾン開発を承認し、政策路線を転換したとの評価を受けた。先にブラジル環境庁は掘削許可を求めるペトロブラスに対し「環境影響評価が不十分だ」として書類を差し戻したが、この決定が最終的に覆った格好だ。これに関してルラ大統領は「世界がなお石油を必要とする限り、ブラジルは国民の生活を改善できる富を捨てない」と明らかにしたことがある。
実際にブラジルは化石燃料による国家再興を狙っている。ルラ政権は2029年までに原油の1日当たり生産量を540万バレルまで引き上げ、世界第4位の産油国になるという抱負を示した。ただしこれをグリーン産業に再投資し、段階的に炭素排出量を減らしていく構想だ。アレシャンドリ・シウヴェイラ・ブラジル鉱山エネルギー相は「すでに電力の90%を水力など再生可能エネルギーで生産しており、バイオ燃料分野でも世界をリードしている」と述べ、「工業化された豊かな国々が『公正な移行』のためにより多くの財政的貢献をすべきだ」と強調した。
一方、コロンビアはいわゆる「脱石油国家」を宣言し、ラテンアメリカ諸国の中で最も急進的な環境政策を推進している。ペトロ・コロンビア大統領は2022年の就任直後に新規の石油・ガス探査を全面停止し、化石燃料企業を対象に法人税を引き上げる一方で、観光・環境配慮型農業の育成を進めてきた。ペトロ大統領は「コロンビアを『生命力あふれる世界強国(world power of life)』にする」と明言している。
しかし外国投資家が相次いで離脱し、コロンビア経済は急速に冷え込む様相だ。国際通貨基金(IMF)によると、コロンビアの成長率は2022年0.7%、2024年1.6%にとどまり、シェブロンやエクソンモービルなどグローバル企業が撤退する中で主要な税収が急減する状況に直面した。コロンビアのフェデサロヨ経済研究所はこれについて「政府が企業を追い出し、逆説的にエネルギー転換の財源を確保できなくなった格好だ」と説明した。
専門家は、化石燃料に基づく経済体制を維持しつつ再生エネルギーへの転換を並行して進める「ブラジル式モデル」の方が競争力が高いとの立場だ。あわせてナイジェリアやベネズエラ、サウジアラビアなど多数の開発途上国もこの方針を続けており、今後これらの国がどのような路線を選ぶかも世界の気候政策に影響を与える見通しだ。
ルイサ・カラシオス米コロンビア大学研究員は「ブラジル式モデルの最大の利点は持続可能性だ」とし、「高炭素から低炭素への産業転換を試みる巨大な実験が進行している」と分析した。