イタリア産パスタが米国から最大で100%を超える高関税を課される危機にある。ジョルジャ・メローニ伊首相がドナルド・トランプ米大統領と友好的な関係を維持してきたにもかかわらず、関税賦課は回避できなかった。
3日（現地時間）、ワシントン・ポスト（WP）は「米国政府のシャットダウン（一時的業務停止）により、今後数週間以内にこの問題が解決されない場合、イタリアの最大手パスタ輸出企業13社が生産する全製品に91.74%の高関税が課される」とし、「これにトランプ政権が欧州連合産製品に課した15%の関税が追加される」と報じた。
先に米商務省は9月4日、13のイタリア・パスタブランドに対し暫定的に91.74%の反ダンピング関税を課すと発表した。これは昨年7月、米国のパスタ製造企業2社が2023年7月1日〜2024年6月30日の期間におけるイタリア輸出企業に対するダンピング調査を要請したことに端を発する措置である。
商務省は、イタリア最大のパスタ輸出企業であるパスタ・ガロファロとラ・モリサーナがダンピング容疑に関する十分なデータを提出できなかったとして反ダンピング関税を課した。商務省はホームページの告知で「審査期間中、この2社が特定のイタリア産パスタを正常価格より低い価格で販売したと暫定判断した」と説明した。
さらに商務省は、この2社だけでなく他の11のイタリア・パスタ製造企業に対しても同一の制裁を適用することを決定した。イタリアは昨年、米国に約7億ユーロ（約1兆1600億ウォン）規模のパスタを輸出しており、今回の措置はイタリアのパスタ業界に相当な打撃を与える見通しだ。
イタリアのパスタ企業に対する制裁は今回が初めてではない。1996年にも米国のパスタ製造企業は、イタリア産製品が現地で自国製品より低い価格で販売されているとしてダンピング疑惑を提起した事例がある。過去にもイタリアのパスタ企業に高水準の懲罰的関税が課された事例はあったが、専門家は今回のように多くの企業に同時に適用されたのは初めてだと指摘する。
イタリア企業は即座に反発した。イタリアの食品産業団体であるフィリエラ・イタリアのルイジ・スコルダマリア代表は、新関税が確定すれば米国に輸出されるイタリア産パスタの約50%が影響を受けると明らかにした。特に高価格のプレミアム製品の場合、90%が打撃を受けると付け加えた。
制裁対象企業の一つであるパスタ・ルンモのコジモ・ルンモ最高経営責任者（CEO）は「なぜ米国はイタリア産製品の輸入を望まないのか」とし、「今回の関税は不適切だ。イタリアと米国は兄弟のような国だ。結局はイタリア産製品の参入を阻むための名分にすぎない」と批判した。
結局のところ被害は米国の消費者の負担になるという声もある。関税対象企業であるパスタ・ガロファロのマッシモ・メナCEOは「これは事実上、われわれを市場から退場させる措置だ」とし、「米国で販売を続けるには価格を現在の2倍に引き上げるほかない」と述べた。ガロファロは米国で年間5000万ドル（約720億ウォン）規模の売上を上げている。
イタリア政府も対応に乗り出した。アドルフォ・ウルソ産業相は最近「パスタはイタリア料理の自尊心だ」とし、政府が現在当該関税に対応するための手続きを進めていると明らかにした。WPによると、メローニ首相室はこの問題を巡りイタリアと欧州連合（EU）の当局が米国側と協議中だと現地メディアに伝えた。