LGエナジーソリューションが米国の主要防衛産業企業からドローンなど無人兵器体系向けバッテリーの供給要請を受け、これについて検討中である。電気自動車市場の不振でLGエナジーソリューションの事業領域が電気自動車からエネルギー貯蔵装置(ESS)へ広がるなか、防衛産業分野まで範囲を拡大する可能性が開かれた格好だ。

LGグループは総合防衛企業であるLIGネクスワンが属するLIGグループと系列分離して以降、防衛産業関連事業を行っていなかった。ゆえに米国防衛産業企業との協業可能性に言及したこと自体に関心が集まる状況だ。

LGエナジーソリューションの米アリゾナ州における46シリーズ円筒形とリン酸鉄リチウム(LFP)エネルギー貯蔵装置(ESS)用電池の生産工場鳥瞰図。/ LGエナジーソリューション提供

21日、バッテリー業界によると、ボブ・リー(イ・ヒョクジェ)LGエナジーソリューション北米総括はブルームバーグが19日(現地時間)に報じたインタビューで「複数の米国企業から防衛産業分野の協力に関する問い合わせを受けた」とし、「この部分(防衛産業分野の協力)をどうするか非常に慎重に検討中だ」と述べた。

米国政府と主要防衛産業企業がLGエナジーソリューション以外のバッテリー企業とも防衛産業分野の協力を協議中である可能性はある。だが市場では、LGグループ内部で防衛産業分野の協力に言及したこと自体を大きな変化と受け止めている。LGグループは防衛産業と距離を置いてきたためだ。

過去、LGグループ傘下には防衛産業に関連するLG精密が存在した。ク・ボンム前LGグループ会長時代の2000年、LG精密はLGイノテックに商号を変更した。その後、LGグループからLIGグループが系列分離する過程で、LGイノテックの防衛産業事業部は2004年に分社化し、現在のLIGネクスワンになった。

LGグループはLIGグループ、GSグループと系列分離した以降、暗黙のうちに事業領域が重ならないよう維持してきた。リー総括はインタビューで「消費財企業が『酒やたばこ事業はしない』と線引きするのと同様に、LGも防衛部門に対して慎重な立場を維持してきた」と語った。

またLGエナジーソリューションが防衛産業分野にバッテリーを供給すれば当面の業績には寄与し得るが、LGグループがグローバルESG評価機関から否定的な評価を受けるなどブランドイメージが毀損される恐れがあり、容易に下せる決定ではないとみられる。

加えて米中対立が深まるなか、米国の防衛産業に参入する場合、LGグループ系列会社が中国などで事業を行う際に不利益を被る可能性もある。

しかしバッテリー事業だけを見れば、防衛産業分野には事業機会が十分にある。防衛産業分野のバッテリーは、電波妨害装置から無人航空機、無人地上車両といった無人システムの拡大により需要が増えている。

グローバル市場分析企業フォーチュン・ビジネス・インサイツによると、世界の軍用バッテリー市場規模は2025年24億ドルから2026年25億7,000万ドル、2034年には52億2,000万ドルへ成長する見通しだ。今年から2034年までの年平均成長率は9.3%に達する。このうち北米地域の市場シェアは36.25%で軍用バッテリー市場を主導している。

とりわけ米国政府が新型兵器に中国産バッテリーを使用できないようにする法案を整備し、韓国企業が製造するバッテリーへの関心が高まらざるを得ない状況だ。米国戦争部(国防総省)は2023年に制定された国防授権法に基づき、2027年10月からCATL、BYDなど中国の6社からバッテリーを調達することを禁止した。

LGエナジーソリューションが決断さえすれば、ドローン用バッテリーは今でも供給できる。LGエナジーソリューションは3月、「インターバッテリー2026」で自社の2170円筒形バッテリー(直径21mm、高さ70mm規格のリチウムイオンバッテリー)を搭載した血液輸送用ドローンを披露した経緯がある。

2170円筒形バッテリーは標準化された規格で調達が容易であり、アルミ缶で仕上げられているため、軍用ドローン、無人航空機はもちろん、無人地上車両、監視偵察用ロボットなどに使うことができる。

バッテリー業界関係者は「中国製バッテリーを代替できるところは事実上、韓国企業しかないため、米国政府が接触するのは当然だ」としつつも、「韓国のバッテリー企業としては、防衛産業という特性自体が市場に参入するか否かを決める要素だ」と述べた。

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