米国ドナルド・トランプ政権の中国太陽光企業を狙った最後の制裁案に、韓国の太陽光企業が神経をとがらせている。米政府が中国企業へのけん制を強めるほど、韓国企業が反射利益を享受するとの期待感があるためだ。

もっとも、自国の太陽光製造サプライチェーンを保護する意図である以上、制裁品目や国別基準が発表されてこそ正確な分析が可能になる見通しだ。一部ではポリシリコンの原価上昇に伴う収益性悪化、建設費上昇に伴う需要萎縮を懸念する意見もある。

ハンファキューセルが5月に完成させた米カリフォルニア州の太陽光発電所(50MW)。/ハンファキューセル提供

6日太陽光業界によると、ロイター通信など海外メディアは4日(現地時間)に、米商務省が通商拡張法232条の調査結果に基づき、ポリシリコンおよび関連派生製品に価格下限制を導入し関税を賦課する通商制裁案を準備中だと報じた。具体的な制裁基準、方策は今月末に発表される見通しだ。

通商拡張法232条は、米国に特定品目を輸入することが国家安全保障を脅かすと判断される場合、大統領が別途の議会承認なしに輸入数量制限、関税賦課などの通商制裁措置を下せるよう認めた法律である。

米国政府はこれまで中国の太陽光企業を狙って複数の制裁策を打ち出してきた。それにもかかわらず、中国企業は中国政府の補助金を背景に、原価割れの価格でポリシリコンを米国に販売し、他の競合を干上がらせてきた。米国が中国産ポリシリコンに高関税を課しても、他社製品より価格が安い程度だった。

今回の制裁案の一つとして取り沙汰される価格下限制が導入されれば、ポリシリコンは米国に入る際、一定額未満では販売できなくなる。すなわち輸入品が市場価格を崩せないよう、政府が下限を設けるということだ。ここに中国産という理由で追加課税まで課せば、中国製品の競争力は一段と弱まる。

グラフィック=チョン・ソヒ

非中国のポリシリコン企業は恩恵が見込まれる。代表的には韓国の OCI Holdings と米国のヘムロック、ドイツのワッカー・ケミーなどがある。米国の太陽光デベロッパーが非中国産ポリシリコンで作ったモジュールを使わねばならないなら、3社の製品に価格プレミアムが付き、購買が増えるほかない。

3社の米国向けポリシリコン生産能力を合算すると年間11万トン程度だ。ワッカー・ケミーの米国テネシー工場で7万トン、 OCI Holdings のマレーシア工場が3万5000トン、ヘムロックのミシガン工場が5000トンと推計される。これは太陽光モジュール40ギガワット(GW)程度を生産できる分量である。

米国太陽光産業協会(SEIA)によると、年間の米国における太陽光の新規設置需要は43〜44GW程度だ。すなわち非中国の3社が生産するポリシリコン量が米国内の太陽光新規設置需要をほぼ賄える計算である。

OCI Holdings の場合、米国の顧客企業と長期供給契約を通じて2028〜2029年の物量まで完売した状態だ。マレーシア工場を増設中で、完工時のポリシリコン生産能力は既存の年3万5000トンから7万トンまで増える見通しだ。

米国ジョージア州に太陽光生産拠点「ソーラーハブ」を設けたハンファソリューションのキューセル部門(ハンファキューセル)も恩恵の可能性を高く見ている。ソーラーハブは米国最大規模の太陽光統合生産団地で、年間8.4GW規模のモジュール生産能力を持つ。

ソーラーハブは OCI Holdings からポリシリコンを受け、インゴット・ウエハー→セル→モジュールへと生産し、非中国サプライチェーン構築の中核ともされる。

ハンファキューセルの太陽光モジュール生産量が増えれば、米国政府から受ける先端製造税額控除(AMPC)の規模も拡大し得る。ハンファソリューションは2023〜2025年に総額1兆3000億ウォン規模のAMPCを受領した。7月のソーラーハブ完工により、毎年1兆ウォン以上のAMPC受領を見込んでいる。

ある業界関係者は「今月、米国政府の具体的な制裁案が出てこそ分析が可能だ。通商拡張法232条の趣旨どおり『米国に輸入される当該品目全体』に規制がかかる可能性もある。ポリシリコン価格が上がり太陽光プロジェクトの費用が高くなって設置の遅延、需要萎縮などにつながることもあり得る」と述べた。

それでも「結局は中国太陽光企業をけん制するために設けられた制度で、これまでの方向性もそうだった。非中国と分類される韓国の太陽光関連企業は恩恵を受ける可能性が大きい」と述べた。

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