LGエナジーソリューションとEcoProなどのバッテリー企業が、世界1位のニッケル埋蔵国であるインドネシアでの現地事業を強化している。ニッケルはステンレス鋼や電気自動車用バッテリーの生産に必要な中核鉱物である。
14日、バッテリー業界によると、EcoProグループはインドネシアのBNSI(Bahodopi Nickel Smelting Indonesia)ニッケル製錬所に追加投資し、電気自動車150万台分のニッケルを確保する予定である。
BNSI製錬所はインドネシアのスラウェシで建設中で、EcoProグループがインドネシア国営鉱山企業PTVI(PT Vale Indonesia)などグローバル企業と進める合弁事業である。EcoProグループは4年間で第1段階投資として約8000億ウォンを投じた。これにより年間2万9000トンのニッケルを確保した。
今回進めるのは第2段階投資だ。今回の投資に向け、EcoProグループで正極材の製造・販売事業を担うEcoPro BMは有償増資を進めている。有償増資の規模は約1兆2000億ウォンである。このうち7650億ウォンをインドネシアのBNSIの持分確保に充てる計画だ。これに(株)EcoProが8000億ウォンを上乗せし、BNSIニッケル製錬所の持分比率を39%に引き上げる予定である。現在の持分比率は18.35%だ。
EcoProグループが第2段階投資で追加確保するニッケルは3万6000トン規模だ。今後、計6万5000トンのニッケルをインドネシアで調達できる権限を得る可能性が開けた格好である。EcoProグループはインドネシアで確保したニッケルをハンガリー・デブレツェンの正極材工場に送り、欧州連合(EU)の重要原材料法に対応する方針だ。
現代自動車グループとLGエナジーソリューションは2024年、インドネシアに電池セルの合弁工場HLIグリーンパワーを設立した。ここで生産される電池セルは、現代自動車のインドネシア工場で生産される電気自動車に搭載される。両社は、インドネシアを含む東南アジアの電気自動車市場の需要が拡大していることに加え、インドネシアでニッケルの調達が円滑である点も工場立地選定の要因とした。
ポスコホールディングスはこれより前の2023年、インドネシアにニッケル製錬工場を新設する事業を推進した経緯がある。当時、ポスコホールディングスはインドネシア工場で電気自動車100万台分の電池を生産できる年間5万2000トンのニッケルを生産する計画を立てたが、検討を中断している。
インドネシアが注目される理由は、ニッケルの最大生産国かつ埋蔵国であるためだ。米国地質調査所によると、世界で確認されたニッケル埋蔵量1億3000万トンのうち、インドネシアの埋蔵量は41%の5500万トンで1位だ。2位のオーストラリア(18%)との差も大きい。インドネシアは世界のニッケル生産の65%を担い、ニッケル市場で独占的地位を有する。
インドネシア政府の政策も現地化戦略の原動力である。インドネシア政府はニッケル産業を育成するとして2014年からニッケル原石の輸出を禁止すると同時に、現地製錬の義務化を進めた。さらにインドネシア政府は今年のニッケル採掘割当量を昨年(3億7900万トン)より約30%減らし、2億6000万〜2億7000万トン水準に引き下げた。
ニッケルが最も大衆的に使われるのはステンレス鋼の製造だ。鉄にニッケルなどを混ぜると表面に保護膜ができ、さびにくく衝撃に強いステンレス鋼になる。これは台所用シンク、鍋、スプーンはもちろん、建物の外壁、自動車部品などに使われる。
近年、ニッケルの用途が増えているのは電気自動車用バッテリーの正極材だ。リチウムイオン電池でニッケルは電池の容量を決定する中核原料である。ニッケル含有量が高いほど、電気自動車は1回の充電で走行できる距離が伸びる。リチウムは、韓国のバッテリー3社が強みを持つ三元系電池であるニッケル・コバルト・マンガン(NCM)、ニッケル・コバルト・アルミニウム(NCA)電池の主原料である。