ハンファオーシャンがカナダ潜水艦事業に加え、アフリカのナミビアにあるビーナス(Venus)油田の超大型海上原油プラント事業の受注可否に神経を尖らせている。ハンファオーシャンはナミビア沿岸オレンジ堆積盆のビーナス油田に投入される深海の「浮体式原油生産・貯蔵・出荷設備」であるFPSO(Floating Production Storage and Offloading)の建造事業をめぐり、オランダのSBMオフショア(SBM Offshore)と競っている。

ハンファオーシャンがビーナスFPSO事業を獲得した場合、ナミビア海域で相次ぐと見込まれる油田開発プロジェクトでFPSOを追加受注する可能性が大きいとの見方が出ている。

トタルエナジーズは2022年2月、アフリカ南部ナミビア沖のオレンジ堆にあるBlock 2913B鉱区でビーナス油田を発見したと発表し、地図を公開した。地図左側の赤い円がビーナス油田(Venus 1-X well)の位置。Block 2913B鉱区の面積は8215平方キロメートル(㎢)に達する。/トタルエナジーズ

25日、造船業界によると、ビーナス油田開発事業の運営社であるフランスのトタルエナジーズは来月、ビーナス開発事業に関する最終投資決定(FID)を下すとされる。トタルエナジーズは環境・社会影響評価と環境・社会管理計画などをナミビア当局に提出した後、油田開発計画(FDP)承認と環境許認可の手続きを踏んでいるとされる。トタルエナジーズがハンファオーシャンとSBMオフショアを最終候補に絞り込んだ状況であるため、FPSO事業者の決定も続いて行われる見通しだ。

ビーナスプロジェクトはナミビア南部の海上オレンジ堆積盆にある「Block 2913B」鉱区(探査・開発権が付与された区域)で発見されたビーナス油田を開発する事業である。ここに設置されるFPSOは、海底生産井で生産された原油を1日約15万~20万バレル処理できる規模で計画されている。トタルエナジーズが明らかにした計画どおりに事業が進めば、2030年に原油生産を開始する予定だ。

オフショアマガジンなど海外のエネルギー専門媒体は、ビーナス油田の初期開発(初回生産設備基準)段階に必要な総投資額を数十億~100億ドル(約15兆ウォン)前後と推定している。FPSOをはじめ最大40基の海底井の掘削、海底生産設備、輸出設備などを含む金額である。トタルエナジーズは先に海底生産設備の統合パッケージ契約規模を最低25億ドル(約3兆8500億ウォン)と提示した。FPSO本体の建造契約規模も数兆ウォンに上ると試算されている。

造船業界のある関係者は「現在、ブラジルとガイアナの油田開発を中心に超大型FPSOの発注が相次いでおり、造船所のドックが飽和状態に至った」と述べ、「トタルエナジーズもビーナスFPSOの発注を先送りしにくい状況だ」と語った。

トタルエナジーズはバレル当たり生産単価20ドル未満を要求し、ハンファオーシャンとSBMオフショア間の価格競争を促したとされる。ハンファオーシャンはエナジープラント事業部がビーナスFPSO受注に死活を懸けている。エナジープラント事業部は既存受注プロジェクトの許認可遅延と案件不足で赤字状態が続いている。ビーナスFPSOの受注に成功すれば、固定費負担を減らし、モパネ油田などナミビア海域で相次ぐ大型深海プラントの受注合戦で優位を確保できると期待している。

ハンファオーシャンが建造し2025年11月にブラジルのペトロブラスへ引き渡したFPSO P-79。P-79は今年5月上旬に原油の初生産を行い、5月下旬に初出荷を完了した。/ペトロブラス

SBMオフショアは世界で最も多い累計40余基のFPSOを設置・運用してきた企業だ。設計から建造、設置、運用までFPSO事業の全ライフサイクルを網羅する能力を備えると評価される。現在、南米のブラジルとガイアナなどで15基のFPSOを稼働している。グローバルな原油サプライチェーンで大きな比重を占めている。

SBMオフショアはビーナスFPSO受注のために中国の造船所と連合戦線を築いた。下部船体の製作、上部構造物の製作、最終組立を多数の中国造船所に分割して任せ、価格競争力を高めようとする戦略だ。

ハンファオーシャンはSBMオフショアの分割アウトソーシング方式とは逆に、単一ヤードで自社による一括建造方式を強みとして打ち出す。船体と上部構造物を別の場所で製作すると結合過程で微細な誤差が生じ、再作業や納期遅延の可能性が大きくなり得る。ヤード1カ所での一括製作を通じて品質不良の可能性を下げ、納期を順守することがハンファオーシャンが掲げる競争力である。

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