来年度の最低賃金引き上げ論議が本格化するなか、労働界が要求する水準である16.3%の引き上げが現実化した場合、雇用が年間44万件以上減少し、企業のイノベーション投資も萎縮し得るという研究結果が公表された。
ラ・ジョンジュ・ファイターチ研究院の院長は23日、「最低賃金の引き上げが企業のイノベーション投資と雇用に及ぼす影響」の研究結果を発表した。
今回の研究は、最低賃金と企業のイノベーション投資を反映した一般均衡モデルを活用して分析した。当該モデルは社会科学引用索引(SSCI)に採録されている国際学術誌「アジア・太平洋経済文献(Asian-Pacific Economic Literature)」の査読を経て承認を受けた。
分析の結果、来年度の最低賃金が今年より16.3%引き上がる場合、実質国内総生産(GDP)は年間8兆1000億ウォン(0.3%)、雇用は44万3000件(1.9%)、総イノベーション投資は4000億ウォン(0.3%)減少することが示された。
研究は、最低賃金の引き上げが最低賃金に敏感な小企業の人件費負担を高めて雇用と生産を縮小させ、その過程で新製品開発などのイノベーション投資も萎縮すると分析した。さらに小企業の生産減少が製品価格の上昇につながり、これを納入される一般企業の生産量の減少まで招いて経済全般に影響を及ぼし得ると診断した。
現在、労働界は来年度の最低賃金の初回要求案として、今年の時給1万320ウォンより16.3%引き上げた時給1万2000ウォンを提示している。月給に換算すると、月209時間基準で250万8000ウォン水準である。一方、経営界は急激な引き上げが自営業者と中小企業の負担を増大させ得るとして、慎重なアプローチが必要だとの立場を示している。
ラ院長は、韓国の最低賃金水準がすでに主要先進国と比べて高い部類にあるとも主張した。ラ院長は「韓国の最低賃金は2024年基準で正規職の中央値賃金に対して相当に高い水準だ」と述べ、「過度な引き上げ要求は雇用と投資の萎縮など経済全般に否定的な影響を及ぼし得る」と語った。
経済協力開発機構(OECD)の統計によると、2024年基準で正規職の中央値賃金に対する最低賃金の比率は、韓国が60.5%、ドイツは50.6%、日本は46.8%、米国は25.0%である。