サイドミラーから変速機に至るまで、廃車1台からあふれ出る数多くの部品は、それ自体で巨大な「金鉱」だ。しかしこの市場はこれまで徹底してアナログの領域だった。

油じみた帳簿と作業者の記憶に依存してきた約200兆ウォン規模のグローバル自動車リサイクル市場に、人工知能(AI)とビッグデータという「デジタルエンジン」を搭載したスタートアップが現れた。パク・ウォンジェ代表が率いるアメスだ。アメスは車両識別番号(VIN)に基づいて自動車部品を識別・検証するソリューション企業で、約116兆ウォンに達するグローバル自動車中古部品取引市場まで領域拡大を狙っている。

パク代表は最近ChosunBizと会い、自動車中古部品市場を「資格証のない専門家たちの市場」だと定義した。BMWのフロントバンパー1つを注文しようとしても、モデルや年式によって名称がまちまちだからだ。3〜5年の熟練した経験がなければ、部品1つすらまともに発注しにくい。加えてこの市場は一度買えば返品がほぼ不可能だ。1,000万ウォンを超えるヘッドランプを誤って発注した瞬間、その損失はそのまま整備工場や部品流通業者の負担となる。

実際に韓国の廃車から発生する部品のうち約70%が、正確な部品識別情報なしに流通していると推定される。アメスはこれにより発生する未取引または低価格処分の規模が年間約2兆5,000億ウォンに達するとみている。

パク・ウォンジェ・アメス代表が14日、ソウル江南区のオフィスでChosunBizと会い取材に応じている。/パク・スヒョン記者

アメスの「パーツフィット」はこの問題の解決を目標に開発された。VINを入力するだけで、部品番号、互換性、図解など約14億3,000万件に達するデータを即座に確認できる。現在アメスは14ブランド、12万6,000余りの車種データを確保している。

サプライヤーである解体業者でも生産性改善の効果が確認された。月300台を処理するある解体業者は、パーツフィット導入後、1台当たり30分かかっていた部品登録時間を5分に短縮した。部品登録の人員も15人から2人に減らすことができた。

アメスは部品管理からさらに進んで流通領域へとソリューションを拡張する計画だ。パク代表は解体業者を「車を部品に分解して販売する高マージン製造業」へ転換できるとみている。

欧州では中古部品が新品比で70%水準の相場を形成する。韓国は30%にとどまる。韓国産中古車部品を欧州・米国などグローバル市場に小売で輸出すれば、マージン構造が完全に変わるというのがアメスの試算だ。

グローバル流通市場の拡大過程で、パク代表が特に強調する指標は「返品率」だ。例えば米国のオフライン自動車部品市場の平均返品率は約22%に達する。車が複雑化し、見た目は同じでもピン(Pin)数や内部プログラミングが異なる部品が増えているためだ。

現地企業が「間違っても返品すればよい」という慣行を維持する一方で、アメスは返品率を6%水準まで下げられる点を中核的な競争力として提示している。これは米国のオンライン自動車部品市場の平均返品率の水準だ。

グローバル市場ではSaaS(サービスとしてのソフトウェア)ではなくAPI形態でソリューションを供給する戦略だ。既存プラットフォームに直接連動する方式のほうが費用効率性が高いとの判断からだ。

パク代表は電気自動車(EV)の普及拡大についても自信を示した。パク代表は「EVだからといってデータ構築の過程や難易度が変わるわけではない」と述べ、「むしろ部品単価が高く修理費の検証ニーズが大きいEV市場ではアメスのソリューションの価値がさらに高まる」と語った。これはグローバル保険の修理費検証市場への拡張可能性とも接点があるという説明だ。

「CA」利用画面。/アメス

現在アメスの売上の半分以上は国内保険会社向け専用ソリューション「CA」から発生している。パーツフィットと基本構造は同じだが、事故車両の修理過程で請求される部品が適正かどうか、数量が合っているかをAIがリアルタイムで検証する。従来は保険担当者の経験と熟練度に依存していた領域だ。

パク代表は「これまでは整備工場が『200万ウォン加算基準』を満たすために過剰請求をしてもふるい落とす名分が乏しかったが、ある顧客社の場合、アメス導入初期に100件中24件水準だった誤請求比率が現在は6%台に下がった」と述べた。検証体制が機能しているという事実だけでも市場の自浄作用が始まったという解釈だ。

DB損害保険は2025年の1年間でアメスのソリューションを通じ約46億5,000万ウォンの損害額を削減した。ソリューション使用費用に対するROI(投資回収率)は約3倍水準だ。事故車両の損害調査処理時間も1件当たり49.9分から8.7分に短縮され、約5.7倍の業務効率改善効果が現れた。

パク代表は「究極的には、誰もが修理費請求の内訳を透明に納得できる『標準案』を提示することが目標だ」と明らかにした。現在、損害保険協会とも関連方策を協議中である。

グローバル保険市場への進出は、顧客社の協力を優先的なレバレッジとする。パク代表は「DB損保の既存ネットワークを活用する方式を協議中だ」とし、「独自でも北米最大の保険会社であるステートファーム、プログレッシブなどと技術実証(PoC)を終えた」と明らかにした。

アメスの累計投資額は約90億ウォンだ。2028年の新規株式公開(IPO)が目標である。パク代表は「2028年までは国内保険市場のシェア拡大が最優先だ」とし、「今月中に欧州・北米のデータ開発を完了した後、2028年から本格的なグローバル拡大に乗り出す計画だ」と語った。

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