直ちに原油輸送に投入できる船舶の争奪戦が激化し、油槽船市場の価格基準が「船齢」から「引き渡し時点」へと移っている。中東戦争の余波でホルムズ海峡の通航制限が2カ月超続くなか、建造中の船舶契約を引き継ぐリセール取引では新造船価より最大35%高い上乗せが付いた。船主が新造を発注して2〜3年待つ代わりに先に受け取れる船を探す中で、船齢が上がるほど船価が下がるという減価償却の公式が事実上崩れたかたちだ。
◇5年物の超大型原油運搬船も新造船より高い
21日、業界によると、国内中堅造船社である大韓造船で建造中のスエズマックス級(15万7000DWT)原油運搬船2隻の建造契約が最近、新たな船主に移ったという。タンカー船社のテケイタンカーズが上乗せを払って当該船舶を隻当たり9500万ドル(約1430億ウォン)で買い取ることにしたものだ。当該船が発注された3年前当時、スエズマックス級原油運搬船の市場平均新造船価は隻当たり約8700万ドル(約1300億ウォン)水準だった。
最近、大韓造船が受注したスエズマックス級原油運搬船の契約金額は隻当たり9000万ドル(約1350億ウォン)前後だが、リセール価格はこれより約500万ドル(約75億ウォン)高い。新規発注すれば2029年下半期以降にしか受け取れない船舶を、2027年に引き渡しを受けるために上乗せを払った格好だ。
中東戦争以後、大規模な品薄が生じている超大型原油運搬船(VLCC)市場ではリセール・プレミアムがさらに急伸した。グローバル資源取引企業のトラフィグラは、中国のヘンリ造船所で来年9月引き渡しを目標に建造中のVLCCを約1億600万ドル(約2400億ウォン)で取得したとされる。海運・船舶市場のデータ分析企業シグナルオーシャンによると、VLCCのリセール船価は一般的な新造船価より最大4550万ドル(約700億ウォン)高く形成された。中東戦争直後の市場で取り沙汰されたVLCCリセール・プレミアムが3900万ドル(約600億ウォン)前後だった点を勘案すると、1カ月余りで上乗せが650万ドル(約100億ウォン)ほどさらに付いたことになる。
このような価格逆転現象は深刻化している。通常、5年物の船舶は新造船より低い価格で取引され、リセール船も引き渡し時点を前倒しすることに伴う小幅のプレミアムが付く程度だった。だが現在、5年物のVLCCは国内造船所に新規発注する新造船の契約価額より約900万ドル(約135億ウォン)高く評価されている。業界関係者は「市場で直ちに確保するのが至難のVLCCは、新造でなくても言い値が通る状況だ」と述べ、「スエズマックス級は最新の中古船と新造船の価格差が事実上消滅し、アフラマックス級も中古船価格が新造船価を上回る逆転局面に入った」と語った。
◇急騰した運賃が上乗せを呼んだ…造船社の交渉力が強まる
船主が高い上乗せを甘受するのは、運賃の急騰で船舶確保コストを短期間で回収できると判断したためだ。テケイタンカーズによると、今年2四半期に入りスエズマックス級のスポット運賃(短期用船運賃)は日量平均12万1800ドル(約1億8000万ウォン)、アフラマックス級の運賃は日量9万8000ドル(約1億5000万ウォン)、VLCCの運賃は日量14万1800ドル(約2億1400万ウォン)に達した。1四半期のスエズマックスのスポット運賃が日量約6万2100ドル(約9300万ウォン)だったのと比べると、四半期で用船料がほぼ2倍に跳ね上がったことになる。テケイタンカーズ側は「ホルムズ海峡が事実上封鎖され、グローバルな原油・タンカー市場で混乱が続いており、2四半期初の運賃は過去最高水準まで急騰した」と述べた。
実際に中東戦争以後、同地域の原油輸出は戦前より日量約1000万バレル減少し、一部の船舶がホルムズ海峡を抜け出せず、VLCC船隊の約8%が事実上停止した。これに加え、アジアの製油会社が中東産原油を代替する物量を確保するために米国湾岸など大西洋圏の原油に目を向け、航行距離も伸びた。同じ物量を運ぶにしても船舶がより長く拘束される構造となり、市場で直ちに使える船は一段と不足した。
これは国内造船業界の船価交渉力を高める要因として作用する見通しだ。業界関係者は「船主は今はすぐに受け取れる船にプレミアムを払っているが、直ちに投入可能なタンカーがそれだけ不足しているという意味であり、新造船価にも影響を及ぼし得る」と述べ、「国内造船社のスロットは2029年以降まで埋まっているだけに、価格交渉の余地は一段と大きくなるだろう」と語った。