現代自動車グループ傘下の部品および物流子会社に所属する複数の労働組合がストライキに入るか、ストライキを予告するなど「強硬闘争」の動きが広がっている。会社側は生産支障を最小化する方針だが、労使交渉が難航しており長期化の可能性も取り沙汰されている。
今月から現代自動車を皮切りに幕を開けた賃金および団体協約(賃団協)交渉では、ロボットなどを巡り摩擦が予想されている。現代自動車グループの労務管理能力が試練に立たされている。
12日完成車業界によると、現代モービス子会社ユニトゥスの労使交渉は再び暗礁に乗り上げた。先月27日から全面ストを行っていた全国金属労組キムチョン現代モービス支会(ユニトゥス労組)は11日、「ランプ事業の持続的成長および雇用安定のための合意書」を巡り社側と交渉し作業に復帰したが、最終的に決裂したためこの日から再び総ストに入った。合意書の内容のうち「買収者と継続協議する」という文言や見舞金の支給規模などが決裂理由として伝えられた。
ユニトゥスはエアバッグやランプなどを生産する現代モービスの子会社だ。現代モービスが持ち株比率100%を保有している。ランプを担当するキムチョン工場所属の労組のみがストに入っており、彼らは13日、ソウル江南区の本社でデモを行う予定だ。
このデモには、現代モービスのもう一つのランプ専門子会社である現代IHL所属の労組、現代モービス所属のランプ部門事務職労組なども参加する。現代モービスが持ち株比率100%を所有するモジュール子会社モトラスの幹部級労組も支援のため出席することにした。
ユニトゥスとモトラスは、現代モービスがモジュールと部品の専門的生産のために2022年に協力会社の従業員を直接雇用して設立した統合子会社だ。現代IHLはインヒーライティングという名前の会社だったが、2004年に現代自動車グループに買収され、2011年に現在の社名へ変更した。現代モービスが持ち株比率99.38%を所有している。
現代モービスは先に、ランプを生産するユニトゥスのキムチョン工場と現代IHLのキョンジュ、テグ工場、そして自社のランプ研究開発部門などを売却する見通しだ。現在、フランスの部品メーカーであるOPモビリティを優先交渉対象者に選定し、細部条件を協議している。早ければ年上半期中に買収手続きが完了する予定だ。
ランプ事業部の売却に直接関係している労組員が13日のデモに参加するということだ。彼らはランプ事業部の売却に反対しており、売却決定の過程で社側の説明がなかった点などを問題視しているとされる。
ストの兆しは物流分野でも観測されている。現代ウィアのモジュール子会社であるモビアントの部品を運送する現代自動車・KIA部品運送労組がストを口にしている。この労組員はテジンロジスとユジンロジスティクスという物流会社に所属している。モビアントが生産した部品を長期間運送してきた業者だが、運送費の引き上げを巡って労使間の紛争が生じたということだ。
労組側は運送費の引き上げとともに現代自動車・KIAなどが元請だとして責任者との交渉を主張しており、対立の解消は容易ではないと伝えられている。現在、労使は再交渉を進めている。
一部では、現代ウィアの防衛事業部門の売却を巡っても現代モービスと類似の事態が起きる可能性が提起されたことがある。ただし現代ウィアが防衛事業部門の売却を公式化したわけではないため、労組側の目立った動きはないと伝えられている。
業界では、黄い封筒法(労組法2・3条改正案)施行により現代自動車グループに対する交渉の圧力が一段と強まるとの分析が出ている。下請け労組の強い交渉要求が続く状況で始まった元請労組との賃団協交渉も圧力として作用するという見方だ。
6日に顔合わせを行った現代自動車の労使交渉では、成果給の規模だけでなく、ヒューマノイドロボット「アトラス」とフィジカル人工知能(AI)の導入に伴う雇用安定も交渉対象として追加された。
労組側は完全月給制の導入を要求案に含めた。現代自動車の生産職・技術職の社員は時給に基づく給与を受け取っている。アトラスが生産現場に投入される場合、社員の勤務時間が減り賃金下落につながる可能性が高いとみて、固定給の比率を高めるという趣旨だ。
一方で社側の立場では固定費が増える分、交渉が容易でない分野とされる。現代自動車の労使間の立場の隔たりが大きくならざるを得ず、交渉は難航するとの見方が出ている。
現代自動車グループの賃団協は毎年、現代自動車を起点に系列会社へ拡大してきた。KIAや現代モービスなど系列会社の賃団協は始まっておらず、労組の要求案は公表されていない。ただし現代自動車労組の要求案と似た内容を条件として示す可能性が高いとの分析が出ている。
業界関係者は「アトラス投入計画が発表された1月に労組が全面戦を予告していたため、関連交渉は容易ではないだろう」と述べた。
最近人事が行われた現代自動車グループの労務管理ラインは難題に直面した。現代自動車グループは最近、労務管理組織を社長級へ格上げし、グループ労務全般を統括する政策開発担当にチェ・ジュニョンKIA社長を内定した。下請け労組の交渉要求やストリスクなどに先制的に対応するための人事だとの分析が出た。