28日、中国の杭州から自動車で約4時間走って到着した海岸都市・寧波にあるジーリー自動車グループ安全センター。293.39mに達する屋内自動車衝突試験トラックの上に、ジーリー車グループの高級ブランドであるジーカーが販売する中型電気スポーツユーティリティ車(SUV)7Xが停止した。しばらくして黄色の試験車両が時速85kmで走行し、7Xの後部にそのまま追突した。
「ドカン」という大きな轟音とともに7Xの後部の破損した破片が四方に飛び散った。強い衝撃を受けたものの、7Xの車体はしっかりと耐えて大きく前方へ跳ねず、後部も半分程度が損傷したにとどまった。驚くべきことに7Xの車内はほぼ完全な状態に見え、前席に位置したダミー(人体模型)も無傷の形のまま座っていた。バッテリーが位置する部分の損傷も目立たなかった。
ジーリー車グループ安全センターは2025年12月に開所した世界最大規模の自動車安全テスト施設である。ここではジーカーのほか、ジーリー自動車、ボルボ、ポールスターなどジーリー車グループが保有する主要ブランドの車両安全テストが行われている。
安全センター近隣にはジーカーの生産施設である「ジーカー・インテリジェント・ファクトリー」も所在する。ここは人工知能(AI)とロボット、ビッグデータなど先端の製造工程と技術を活用して生産人員の投入を最小化し、効率と完成度を高めた最先端工場だ。
ジーカー関係者は「近年数年間で中国の自動車産業は環境対応車を中心に技術とデザインで飛躍的に成長し、特にジーリー車グループは世界的な完成車企業へと躍進した」と述べ、「莫大な資本を投入して安全と技術水準を高める中で、グローバル市場で中国車に対する信頼度が高まっている」と語った。
◇ ギネス記録5件を塗り替えた世界最大の安全センター
広大な安全センター内部では多様なテスト施設が目に留まった。四方がガラスで作られた空間では一定時間ごとに雪と雨を降らせたり濃い霧を噴出し、走行する車両の前を自転車に乗ったダミーが通過して動作の変化を感知した。多様な気象状況で車両の自動運転機能を試験する施設であった。
4万5000m2に達する規模のジーリー安全センターは、20億元(約4200億ウォン)以上の費用が投入されて完成した。ジーリー車グループは過去10年間、安全施設をはじめとする研究開発(R&D)に2500億元(約52兆4850億ウォン)を投資してきた。
ジーリー安全センターは、世界最大規模(8万1931m2)の自動車安全実験室、世界最長(293.39m)の屋内自動車衝突試験トラック、世界最大規模(2万8536m2)の気候関連テスト施設、世界最大規模(1万2709m2)で0〜180度の角度調整が可能な自動車衝突試験区域、世界最多の27種類のテストタイプを備えた安全実験室などで5件のギネス記録を打ち立てた。
ここでは車両の安全以外にも人体に影響を及ぼす可能性のある有害物質を事前に感知して遮断するための別組織「ゴールデンノーズ(Golden Nose)」チームも運営している。ゴールデンノーズチームは揮発性物質と悪臭検査、有害物質の感知、有害ガス・悪臭ゼロ基準の充足可否などを集中的に検査する。
ワン・フォンシャン ジーリー研究所安全技術開発担当ディレクターは「ジーリー車グループが進出した複数の国家と地域は、それぞれ異なる気候や地形、道路条件を備え、運転文化と習慣も互いに異なる」と述べ、「こうした相違を克服し最高の安全性を確保するため、最先端の安全センターで多様なテストを実施している」と語った。
◇ 工場は703台のロボットが投入される100%自動化溶接ラインを備える
安全センターから車で移動して約5分の場所に位置するジーカー・インテリジェント・ファクトリー。最初の訪問場所であるプレス工程施設の内部に入った。操業が本格化する午前の時間だったが、生産職労働者の姿はほとんど見当たらなかった。代わりに複数台の搬送用ロボットが忙しく金型製品を運び、片隅では別のロボットが溶接したり製品を成形する様子が目に入った。
ジーカー・インテリジェント・ファクトリーは5G、AI、ビッグデータなどを統合し、人間の介入を最小化した「ダークファクトリー」基盤のスマート生産施設である。約133万5400m2に達するこの工場では年間30万台の自動車を生産できる。
この工場の溶接工程は703台のロボットが投入され、100%の自動化率を達成した。プレス工程も完全密閉型の自動生産ラインとして設計され、単一金型で複数部品を同時に成形する高効率工法で製造が行われる。プレスと溶接工程で生産職労働者が担う役割は、各段階の工程での各種数値の確認と異常有無の判断などに限定される。
ジーカー関係者は「自動化溶接ラインはミリ秒単位の電流制御によって完璧な結合を保証し、塗装工程はマイクロメートル単位の欠陥を検知するAIビジョンスキャンシステムが適用されて高い品質を実現する」と説明した。関係者は「このようなデータ中心の製造システムは、全ての車両の生産工程をリアルタイムで記録し、数年後でも追跡が可能で、品質管理も効率的に行える」と付け加えた。