現代自動車・KIAにエンジンバルブを納品する安全工業の工場で発生した火災で新車出荷に非常事態が生じた。KIAの小型車「モーニング」と「レイ」を受託生産する同喜オートがすでに生産中断を決めたのに続き、営業現場では現代自動車の準中型セダン「アバンテ」も新車出荷が難しくなる可能性があると案内している。需要が少ない小型車から生産支障の余波が及んでいるということだ。
25日自動車業界によると、同喜オートは27日からモーニング・レイの生産を一部中断し、4月1日から11日までは全面中断することにした。同喜オートはKIAと部品会社同喜ホールディングスの合弁会社だ。2004年にモーニングで開始し、現在はレイまでKIAの小型車を受託生産している。
生産中断は20日、現代自動車・KIAにエンジンバルブを納品する安全工業のテジョン工場で火災が発生したことに伴うものだ。エンジンバルブはシリンダー内部の燃料噴射と排気ガス排出を制御する自動車の必須部品である。
「国民セダン」と呼ばれるアバンテも今回の火災で新車引き渡しが遅れる可能性が大きいとされる。この日現代自動車のある営業担当者は「先月まではアバンテのガソリン、ハイブリッドの納期が1カ月だったが、今月から3カ月に延びた」と述べ、「まだ本社から火災で部品調達ができていないという公文は下りてきていないが、今月中に契約しないなら火災の影響を受けて引き渡しが大きく遅れる可能性がある」と語った。現代自動車の内外では早ければ今週から蔚山工場のアバンテ生産が中断されるとの観測が出ている。
一方で中型セダン「ソナタ」や準中型スポーツユーティリティ車(SUV)「ツーソン」、中型SUV「サンタフェ」などの人気車種は相対的に火災の影響から自由な状況だ。現代自動車の営業担当者は「現在ソナタは在庫があり割引も可能だ」と述べ、別の営業担当者も「ツーソンやサンタフェなど人気SUVは即時出荷可能で火災の影響を懸念する必要はない」と述べた。
自動車業界のある関係者は「小型車と準中型車は需要がかつてほど多くないため、あらかじめ作り置きしない」と述べ、「中型級以上のセダンやSUVは人気が高く、受注前から物量が確保されているほうだ」と語った。同喜オートが生産を中断することになったのも、国内に残っているエンジンバルブ在庫が中大型車に優先配分された影響とされる。
しかしこの状況が続けば中大型車の生産にも支障が生じる可能性がある。現代自動車・KIAは生産中断時期をできるだけ遅らせるため、海外工場のエンジンバルブ余剰分を国内に回送する方案を検討しているとされる。
ただしこの場合エンジンバルブを船で運ばなければならず相当な期間を要する。業界のある関係者は「当座きょう明日でラインが止まることはないが、この状態が続けば4月初めから生産支障が本格化するだろう」と語った。
現代自動車・KIAの関係者は「現在国内外で一定水準の在庫を保有しており、生産支障が発生しないよう協力会社などと協議している」と述べ、「保有在庫の活用とサプライチェーン内での代替調達など、多角的な対応策を検討・推進中だ」と語った。