第一企画のシンキングリーダーシップを基盤とする戦略インサイトグループ「ヨズム研究所」が12日、Z世代の分析に基づき「脆弱性(Vulnerability)」をブランドマーケティングの新たな論点として提示した。
ヨズム研究所は、最近刊行した報告書「マイノリティ・リポート―脆弱である権利」で、経済的不安と地政学的リスクの中で成長したZ世代にとって、脆弱性は一時的な危機ではなく「デフォルト」に近いと分析した。研究所は、最近世界的にZ世代を中心に呪術や占いといった文化が流行する現象にも、こうした心理的要因が横たわっていると説明した。
ヨズム研究所は、Z世代が脆弱性を隠すべき弱点ではなく、さらけ出しても意味のある欠陥として認識している点に注目した。Z世代はSNSで「メンタルヘルスの告白」や「クラッシング・アウト(Crashing out)」のように、自身の不安や欠乏を積極的に共有する文化に熱狂している。研究所はこれを「能動的脆弱性」と定義した。
Z世代に能動的脆弱性が現れた背景としては、▲技術発展に対する反作用 ▲既成世代への反作用 ▲SNS関係の軽さへの反作用などが挙げられる。とりわけAI技術の拡散で誰もが容易に完璧な成果物を作れる「過剰な完璧の時代」が到来し、かえって不完全で人間的な姿がより高い価値を認められている。SNS上で無補正の写真やフィルターを使わない投稿が支持を得て、完璧な一枚の写真よりも未精錬の複数枚を一度に掲載する「フォトダンプ(photo dump)」がトレンドになっている現象がそれを裏付ける。
ヨズム研究所は、脆弱性はZ世代だけの感性コードではなく、すべての世代を越え、企業やブランドにとっても新たに身につけるべき生存の文法だと強調する。マーケティングのパラダイムは1990年代の「憧れ」中心の戦略から2010年代以降の「真正性」中心の戦略へと移行し、いまやブランドの深層にある本音や弱点まで公開する脆弱性が、信頼確保と差別化の中核的な武器として浮上しているということだ。
ヨズム研究所はブランド戦略の適用策として、▲ブランドの脆弱性を本質的な魅力へと転換し ▲脆弱性を可能性として捉える観点に基づき進展する過程を透明に公開し ▲言葉にとどめず行動で実践して社会的変化の原動力へ拡張することを提案した。研究所はこの過程を、ひびの入った陶器を金で継いでより大きな美を生み出す日本の伝統陶芸技法「金継ぎ」に例えた。
パク・ミリ第一企画ヨズム研究所長は「予測不可能な経営環境で脆弱性を先制的にさらけ出すことは、単なるレピュテーション管理を超えてビジネスの成否を分ける中核的な差別化戦略だ」と述べ、「ブランドの傷まで包摂する『ガチのファン』との強力な連帯を構築し、市場の力学を覆して優位的地位を先取りする最も能動的な成長エンジンになるだろう」と語った。