不動産管理の中堅企業エスアンドアイコーポレーション(以下、エスアンドアイ)を巡り、売却の可能性が取り沙汰されている。筆頭株主であるグローバル私募ファンド(PEF)運用会社のマッコリー資産運用がエスアンドアイ買収から4年目に入ったことから、本格的なエグジット(投資回収)戦略を検討する局面に入ったとの分析だ。
9日、ChosunBizの取材を総合すると、マッコリー資産運用はエスアンドアイの売却を含む多様なエグジット案を検討しているもようだ。買収以降、業績の成長基調が続いている現時点が、適切な投資回収の局面だとの判断が背景にあるとみられる。
エスアンドアイは2021年末、LGグループのレジャー・不動産開発子会社ディーアンドオー(D&O)から施設管理(FM)事業部門が物的分割され設立された。その後、2022年2月にマッコリー資産運用は投資法人「シンコーポレーションホールディングス」を通じてエスアンドアイの持分60%を約3600億ウォンで取得し、筆頭株主となった。投資銀行(IB)業界では、LGグループから分離して私募ファンド体制に軟着陸したエスアンドアイが、再びガバナンス転換の局面に入る可能性に注目している。
社内でも変化の可能性を注視する雰囲気だ。エスアンドアイのある社員は「筆頭株主が変わるかもしれないという話が出ており、組織の安定性と今後の経営方向に対する懸念がある」とし、「買収主体によって会社の戦略と文化が変わらざるを得ない点で、社員の間でも緊張感が生じている」と語った。
PEF体制への転換以降、エスアンドアイは堅調な業績の成長を続けてきた。施設管理と不動産の運営・管理事業を基盤に、安定的な売上高と利益構造を構築した。エスアンドアイは2024年、売上高8511億ウォン、営業利益483億ウォンを記録した。前年対比で売上高は8%、営業利益は7%増加した。
AI基盤のCCTV、電気自動車火災対応ソリューション、遠隔制御システム(RMS)、オフィス・ライフケアプラットフォーム「サンディアプリ」など、空間管理のデジタル化を進め、将来の成長ドライバーも確保している。これによりエスアンドアイは2027年に売上高1兆ウォンの達成を目標としている。業績が安定軌道に乗り、中長期の成長ストーリーまで確保したことで、PEFの立場では売却を進める上で負担が大きくない局面に入ったとの分析に説得力が増している。
マッコリー資産運用は昨年末、約2800億ウォン規模のエスアンドアイのリファイナンスとともに、資本構成の再整備(リキャップ)作業も進めた。1600億ウォンは既存借入金の返済に充て、800億ウォンはリキャップ資金として投入した。400億ウォン規模のコミットメントライン(RCF)も設定した。リキャップは負債と資本の比重を再調整するプロセスで、財務安定性を高めたり、今後の投資・売却など戦略的選択の柔軟性を確保するために活用される。
あるIB業界関係者は「PEFが投資回収を検討する際、リファイナンスとリキャップを通じて財務構造を整理するのは一般的な手順だ」と述べ、「買収後4年目に入ったことから、非公式に潜在的な買い手の関心を見極める段階に入った可能性がある」と語った。
経営陣の変化も注目される。エスアンドアイは昨年9月、代表取締役を交代した。FM事業部統合管理運営チーム長、運営革新担当などを経たソ・ヒョン代表が新たなトップに選任された。中長期の成長戦略の再整備とともに、今後のガバナンス変更の可能性を念頭に置いた人事とみられる。
市場では、マッコリー資産運用が戦略的投資家(SI)に経営権持分を売却する、あるいは財務的投資家(FI)との取引を進める案、または一部持分売却後に段階的に回収するシナリオなどを検討し得るとの観測が出ている。不動産の運営・管理事業の特性上、長期契約に基づく安定的な収益構造を備えており、大企業の系列会社や中堅企業、不動産資産運用会社、リート、財務的投資家など買収候補群も幅広く取り沙汰されている。
エスアンドアイの関係者は「会社の売却などに関しては、まだ決定した内容はない」と述べた。