7日、ウルサン南区にあるHD現代重工業ヨンヨン工場。サッカー場48面分の広さ(約34万㎡)の船舶ブロック工場に入ると、厚板(厚い鉄板)を切断して接合する轟音が耳をつんざいた。四方で溶接の火花が飛び散っていたが、トーチを握っていたのは人ではなく人の腕の形をしたロボットだった。作業者は分厚い溶接マスクをかぶってしゃがみ込む代わりに、軽装の作業服でタブレットPCを手にロボット4台の間を行き来しながら指揮者の役割を担っていた。僅か3年前までは想像しにくい光景だったと作業者は口をそろえた。
船舶はレゴのように複数のブロックを継ぎ合わせて作られる。ブロック内部は構造が狭く複雑で、自動化の不毛地とされてきた。今ではブロック内部にも横13㎝、縦75㎝、重量14㎏の小型ロボットが進入し、人の代わりに溶接していた。キム・ボンソク中型船自動化革新部署長は「ブロック内部の狭小空間で溶接するには、人は体を無理に押し込んで溶接棒の角度と速度を合わせねばならず、作業量を増やすには限界がある」とし、「一方でロボットは一人が一日中かけてこなせる溶接量の4倍を処理する」と説明した。
◇ 数回のタッチで寸法呼び出し、溶接までノンストップ
巻尺とチョークの跡が乱舞していた造船所内のデータもすべてつながっている。この日、4万5000トン級石油化学製品運搬船(PC船)の下部ブロック工程で、作業者がタブレットPCの画面を数回タッチすると、設計図面情報が表示され、ロボットがレールに乗って指定の溶接区間へ正確に移動した。作業者がいちいち寸法を入力しなくても、板厚(厚さ)に基づく最適溶接条件に従ってロボットが業務を遂行した。いわゆる「設計-生産一貫化」が実現した。
続けてロボットはレーザーセンサーで約60秒間、厚板の継ぎ目をスキャンし、開先の位置と幅、深さを把握した後、直角で接する内部の隙間溶接を開始した。直角1m区間の溶接を4分とかからず終えたロボットは、間を置かず隣の区間へ移動して作業を続けた。
HD現代重工業中型船事業部は来月から、このようにロボットアームがレールを走行し自動で溶接するシステムを本格的に拡大導入する予定だ。このシステムを活用すれば、作業者1人が最大8台のロボットを同時に運用できる。
ロボットが通過した後に最も目を引いたのは成果物だった。人が直接溶接する場合、装備の重量と疲労度のせいで力加減が一定せず、溶接ラインがでこぼこになりやすい。このため、グラインダーで表面を滑らかに削る仕上(仕上げ)工程が必ず後に続かなければならなかった。
しかしロボットは電流・電圧の変化を感知し、溶接線がわずかにずれても自ら軌跡を補正し、溶接ビードは機械で削ったように滑らかだった。別途の仕上作業が不要で、ロボット導入とともに騒音と粉じんが激しい後工程が事実上縮小された格好だ。
◇ 徒弟式の伝授からAI学習へ…熟練工の空白を埋める
ロボットは深刻な人手不足に直面する造船所の現場で現実的な代案として定着している。8年前の造船不況期に大量に離れた内国人熟練工の席は、今や外国人が埋めている。HD現代重工業で働く全従業員のうち外国人労働者は8400余人で、約19%に達する。
しかし彼らを完全な戦力とみなすのは難しい。現場の作業者は「ビザの問題などで外国人労働者の入れ替わりが頻繁で、高度な熟練技術の伝授は構造的に難しい状況だ」と述べた。
通常、50〜60人で一つのチームを組む工程で、熟練工の比率は20%前後にとどまる。バン・ビョンジュ中型船ヨンヨンDM部署長は「5〜10年の経験を積んだ技量者が必要な作業は多いが、人員は高齢化し不足している」とし、「そのため高技能の熟練工は難度の高い区画に集中させ、比較的標準化された区間はロボットを運用できる低熟練労働者を教育して投入する方式で生産効率を合わせている」と語った。
現場の徒弟式伝授文化は徐々にデータ資産として残り「AIロボット」へと進化している。HD現代重工業は現在蓄積中の作業データをAIに学習させ、今後はロボットが多様な形態のブロックを自ら認識して作業する完全自律溶接段階へ進む計画だ。
これを支えるため、今月からRainbow Robotics・JCTの協働ロボットシステム27台が現場に投入された。手首3軸回転技術を適用したRainbow Roboticsのロボットに、溶接自動化に特化したSI企業であるJCTがロボットと溶接機が一体のように反応する精密連動技術を加え、過酷な造船所環境に最適化した。HD現代重工業はこのロボットを協力会社の現場にも供給し、運用ノウハウを共有する予定だ。
他の造船会社もロボット導入を加速している。ハンファオーシャンは2030年までに3000億ウォンを投資し、自動化率を70%まで引き上げる計画だ。すでに船舶配管溶接ロボットを導入して段取り時間を約60%短縮し、密閉区画など危険空間には80台以上のロボットを投入した。サムスン重工業も、形鋼・定盤切断と小組立溶接工程にロボットを全面適用し、24時間無人で稼働する造船所の青写真を描いている。