「K-農機」の北米市場成長を牽引してきた大同の米国法人(大同USA)が現地で相次ぎ難題に直面している。
予期せぬサイバーセキュリティ事故で法廷争いを繰り広げるなか、米国政界の「修理する権利(Right to Repair)」立法化の動きが重なり、事業環境の不確実性が高まっているとの分析である.
◇ 個人情報流出で訴訟戦に発展…セキュリティ体制の再整備が火急の課題
22日、農機業界によると大同USAはハッキング事故による個人情報流出の混乱を経験している。会社は今月初め「2024年10月、承認されていない外部侵入により一部情報が流出した事実を確認した」と公式に明らかにした。
流出した情報にはトラクター購入顧客と元・現職従業員の氏名、連絡先に加え、身分証写しや金融情報などが含まれるとされる。これに対し元従業員A氏は、会社側のセキュリティ管理の不備を問題視して集団訴訟を提起した状況だ。現在、米連邦裁判所は当該事件を調停手続きに分類した。
大同USA側は「外部のフォレンジック専門会社を選任して調査を進めており、セキュリティシステムを強化した」と述べたが、現地でのブランド信頼度の維持と法的リスクの解消が急務として浮上した。
内部のセキュリティ問題に加え、急変する外部の政策環境も注視すべき局面だ。11月の米国中間選挙を前に、農機業界の「修理する権利」が主要な政治争点として浮上したためである。
◇ 米国を覆う「修理する権利」イシュー…収益モデルに影響か
「修理する権利」とは、農民がメーカーの独占的な修理サービスに依存せず、自力で修理できるよう、部品とマニュアル、ソフトウェアへのアクセス権限を保障せよという要求である。
これは農民の費用負担を軽減する名分がある一方で、メーカーにとっては部品売上の減少や中核技術の開示という負担を伴う。すでに米連邦取引委員会(FTC)は業界1位のジョン・ディアに対して関連調査を進め、圧力の度合いを強めている。
2024年3四半期に大同の全体売上のうち北米市場の比率は半分に達する。前年同期比18%も成長するほど北米依存度が高い状況で、現地の規制変化は大同の今後の業績に直接的な変数となり得る。
大同をはじめ米国市場に進出したTYMなど韓国の農機メーカーも、政策変化に敏感にならざるを得ない。TYMは2024年3四半期の連結基準で売上高2241億ウォンを記録した。当時TYMは、北米市場での成長基調と中大型トラクターの販売拡大を主因に挙げた。
サイバーセキュリティ事故に続き、米国現地で農機業界を巡る「修理する権利(Right to Repair)」の議論が重なり、セキュリティとサービス政策全般に負担要因として作用しかねないとの分析が出ている。
業界関係者は「2023年にコロラド州で米国初の関連法が州議会を通過し、現在は連邦レベルで議論されている事案だ」とし、「現地のサービス体制と技術支援の方式はもちろん、事業戦略も一部再検討すべきだ」と述べた。
大同関係者は「米国市場進出の初期から修理権限を制限せず、合理的に修理できるよう技術情報と部品供給を運用してきた」とし、「部品・マニュアル提供の方針を引き続き維持する」と語った。