現代自動車グループが人工知能(AI)ロボティクスの商用化に速度を上げる。完成車の製造現場と部品、サプライチェーンなどグループ各社の能力を結集し、量産から供給までを網羅するAIロボティクスのエコシステムを構築する。また、グーグル・ディープマインドなど生成AIの専門組織との協業により技術開発を継続し、フィジカルAIを先導する計画だ。
現代自動車グループは5日(現地時間)、米国ラスベガスのマンダレイ・ベイ・コンベンションセンターで世界最大の家電見本市CES 2026を前に「AIロボティクス、実験室を越えて生活へ」をテーマにメディアデーを開催した。当日の行事にはチャン・ジェフン現代自動車グループ副会長とホセ・ムニョス現代自動車社長、ロバート・プレイター・ボストン・ダイナミクス代表取締役らが出席した。
◇開発から保守までを一気通貫で
現代自動車グループはボストン・ダイナミクスのヒューマノイドロボット「アトラス」の商用化に先立ち、能力を高度化する。アトラスは今年、米国内で門を開く「ロボット・メタプラント応用センター(RMAC)」でマッピング基盤の学習訓練を先行する。これは人間の作業を参照してロボットの姿勢や行動を設計・学習する過程を指す。RMACはロボットのデータ収集など最適化のための検証が行われる空間で、ロボットの具体的な活用方法と行動を開発する場所だ。
その後アトラスは米国ジョージア州工場の現代自動車グループ・メタプラント・アメリカ(HMGMA)に投入される。HMGMAは最先端のスマートファクトリーであり、データとソフトウエアで運営されるソフトウエア定義工場(SDF)である。アトラスはRMACで学習した訓練データを基にSDFに投入され、SDFで確保したデータを通じて性能を改善する計画だ。現代自動車グループ関係者は「再訓練過程を重ね、人と共に働く方法を学び、安全な状態へと進化する」と説明した。
現代自動車グループはまた、グループ内に蓄積された製造の専門性と部品インフラを活用し、フィジカルAI産業を拡大する計画だ。現代自動車・起亜は製造インフラと工程制御、生産データを提供する。現代グロービスは物流およびサプライチェーンを担う。現代モービスは精密アクチュエーター(油圧などを活用して対象物を制御する機械)を開発し、とくにボストン・ダイナミクスと組んでアトラスにアクチュエーターを供給することにした。
これを土台に現代自動車グループは柔軟性・品質・優秀性を備えたエンドツーエンド(E2E)のバリューチェーンを形成する計画だ。開発から学習および検証、量産、サービス運用(販売・システム統合・保守)に至る統合管理が可能になる。これを基に顧客の初期費用負担を減らして参入障壁を下げ、定期的なソフトウエアの無線アップデートやハードウエアの運用・保守を提供する方針だ。
◇ボストン・ダイナミクス、グーグル・ディープマインドと本格協力
アトラスの製造を担当するボストン・ダイナミクスはこの日、未来のヒューマノイド技術開発に速度を上げるため、グーグル・ディープマインドと戦略的パートナーシップを結んだと明らかにした。グーグル・ディープマインドのロボットAIファウンデーションモデルとアトラスを結合するのが核心だ。AIファウンデーションモデルは広範なデータを学習・訓練し、複数の作業に適用するディープラーニングモデルを指す。
とくに両社は最先端ロボットとロボットAI技術を融合し、未来産業の大転換を加速する方針だ。ロボットの形態や大きさに関係なく認知し推論し、道具も活用して人間と相互作用できるようにすることが核心とされる。両社は複雑なロボット制御のためのAIモデル研究を通じ、実質的効用性の高いヒューマノイドの安全で効率的な導入を積極的に推進する計画だ。
ジャック・ジャコウスキー・ボストン・ダイナミクスのアトラス開発総括は「ロボットとAIの融合は単なる技術進歩を越え、人間の生活をより安全で豊かにする革新だ」と述べ、「未来産業のパラダイムを新たに定義する」と語った。キャロリーナ・パラダ・グーグル・ディープマインドのロボティクス総括は「ロボットの影響力拡大と安全で効率的な導入のために新たなモデルを開発する」と付け加えた。