ポスコグループが組織文化の革新に向けた新たなリーダーシップ体系「リーダーシップ・マニフェスト（Executive Leadership Manifesto）」を31日に発表した。
リーダーシップ・マニフェストは、急速に変化する経営環境の中で、どのようなリーダーシップ基準と働き方を志向するのかを明確に示した初の公式文書である。
5月から10回にわたる「役員の働き方革新ワークショップ」を通じて、グループ役員200人余りがリーダーシップ全般をあらためて検証する作業を行い、その結果に基づいて作られた。
マニフェストはイントロ（Intro）、アクション（Action）、ストーリー（Story）の3つの章で構成した。イントロではすべてのリーダーシップ原則の出発点として「安全」を取り上げた。
安全を単なる業務項目ではなく、あらゆる成果と議論に先立って必ず確保すべき絶対的前提条件と規定することで、安全中心の経営文化を構築する意思を示した。
続くアクションには、ワークショップを通じて導出した14の具体的な実践基準を提示した。安全をはじめ、成果創出リーダーシップ、業務方式、コミュニケーション、人材育成の5つの領域で構成した。
この指針は、リーダーが日常でどのように行動すれば組織が変わるのかを明確に示すものだとポスコグループは説明した.
成果創出リーダーシップの章では、方向提示、委任、挑戦の三つを中心に、役員は方向を示し、構成員を信じて任せ、挑戦を通じて成長できる文化をつくるべきだという内容を盛り込んだ。
業務方式の領域では、指示・報告・会議など日常の業務プロセスを、形式や手続きよりも実質的なコミュニケーションと実行中心へ転換すべきだと提案した。
コミュニケーションの領域では、言うべきことは明確に言い、聞くべきことは喜んで聞き、共有すべき情報は隠さない姿勢こそが真のリーダーシップ・コミュニケーションだというメッセージを盛り込んだ。
人材育成の領域では、コーチング・評価・成長を中心に、構成員の強みと特性を理解し成長を支援する「関心」ベースのリーダーシップを強調した。
あわせてポスコグループは「人工知能（AI）時代のリーダーシップ」領域を別途に規定した。AIが現在の業務に適用すべき必須の能力であるという意味だ.
役員がAI技術を理解し自ら活用し、組織のデジタル革新の方向を提示すべきだと明記した。
これは製造・エネルギー・素材産業を基盤とするポスコグループの中長期デジタル革新戦略と接点を持つ。
ストーリー部門には、マニフェストが作られるまでに役員たちが交わした苦悩と省察のプロセスを生々しく収めた。
また、組織文化の変化は宣言だけでは実現せず、リーダーの日常的な実践を通してのみ現実で変化が表れるという点を強調した。
今回のマニフェスト発表により、ポスコグループは安全、成果創出、コミュニケーション、人材育成、AI能力に至るまで、リーダーが備えるべき基準を体系的に確立した。
ポスコグループは今後、リーダーシップ開発プログラムと現場実行の点検体制を継続的に強化し、宣言された原則が実際の組織文化の変化へとつながるよう支援する計画である。