大韓民国操縦士労働組合連盟(操縦士連盟)は、ムアン空港のチェジュ航空2216便の惨事から1年が過ぎたにもかかわらず、危険空港に対する構造的な改善が進んでいないと指摘した。
操縦士連盟は28日、ムアン空港チェジュ航空2216便惨事の1周忌声明で「乗客の生命と安全を直接担う操縦士、整備士、客室乗務員など現場の誰一人として、航空安全が変わったとは言えない」としてこのように明らかにした。連盟は「事故直後、国土交通部長官は『牛は失ったが、せめて牛小屋だけは確実に直す』と公言し、今年4月に航空安全革新方策を発表した。しかし華やかなタイトルとは裏腹に、現場は依然として何一つ変わっていない」と強調した。
連盟は「空港施設の改善が急務であるにもかかわらず、国土交通部は危険空港に対する構造的改善の代わりに、高経歴操縦士に危険を押し付ける運航指示を対策として打ち出し、これは今も有効だ」と説明した。
連盟は、ムアン空港を含め依然として残るローカライザーの土手の危険、特に多数の国民が利用する済州空港のHビーム鉄骨障害物は、どれほど熟練した操縦士であっても回避できない構造的な危険だと主張した。連盟は「これはすなわち搭乗客の生命を放置する行為であり、キメ空港もまた国民の安全は二の次のまま運営され、APEC首脳会議を契機に海外主要首脳の訪問を前にしてようやく拙速なつぎはぎ工事が行われた」と述べた。
連盟は鳥衝突防止対策も同様だと指摘した。連盟は「空港別の鳥類生態に関する分析もなく、常時監視人員に対する教育および運用計画もないのに、スローガンだけが大げさな『計画』は結局、国民の血税を浪費する絵に描いた餅の対策にすぎない」と厳しく批判した。続けて「さらに深刻な問題は、数十年にわたり国土交通部の告示に明記されていた事項が適切に履行されず事故につながったにもかかわらず、あたかもこれまで規定がなかったかのように、昨年10月になってようやく空港施設法施行令と施行規則の改正を試みた点だ」と付け加えた。
また連盟は、事故の1周忌までにおいても管制官の増員などが国際基準に著しく不足し、事故調査も失望的だと評価した。1年の間に出た結果は不十分な安全勧告がわずか2件のみであり、そのうえ適切な説明や報道資料すらないまま発表され、多くの国民は安全勧告が発行されたのかすら知り得なかったということだ。
連盟は「2026年には2008年以降18年ぶりにICAOの航空安全監査(USOAP)が予定されている」とし、「華やかで拙速な安全政策の提示や法案改正など、USOAPに備えた点取り主義ではなく、大韓民国の空を安全にすることこそが現在直面する政府の責務だ」と述べた。
最後に連盟は「形式的な懇談会や見せかけの計画ではなく、現場の声が実質的に反映される構造を直ちに整え、現場の経験と助言が政策につながるシステムを構築するよう政府に求める」と伝えた。