使用期限を過ぎた陸上風力を修理して再利用したり、老朽化した風力発電設備を撤去して最新設備を設置する「リパワリング(Repowering)」の動きが本格化している。陸上風力をリパワリングすれば新たな用地を確保する必要がないため、森林破壊を防げる利点がある。ただし、既存の陸上風力事業者が得ていた発電許可を延長するのか、新規参入を望む事業者に機会を与えるのかは、解決すべき課題として残っている。
26日、韓国政府と韓国風力協会によると、「江原風力」と「大関嶺1」陸上風力発電団地がリパワリングを進めている。江原風力は2005年12月から2006年9月までに合計49基の発電機を設置した陸上風力発電団地である。大関嶺1陸上風力団地の竣工年は2017年7月で、比較的稼働年数は長くない。それでもリパワリングを通じて最新タービンなどを設置し、発電効率を最大化する戦略だ。
このほかにも、栄養風力(61.5メガワット・MW)、盈徳風力(39.6MW)、ウィンドミル風力(7.5MW)、梅峰山風力(7.1MW)がリパワリングを検討または推進中だ。栄養風力は慶尚北道盈徳郡昌水里に2008年12月、1500キロワット(kW)級の陸上風力発電機41基を設置した団地である。
盈徳風力は2004年12月から2006年10月までに24基の陸上風力発電機を設置した場所で、相対的に設備が老朽化している。梅峰山風力も2006年5月と10月に続き2012年5月に陸上風力発電機を設置しており、リパワリングを検討している。
陸上風力事業者は20年単位で発電事業許可を受ける。陸上風力のタービンやブレードなど主要機材の寿命を20年とみるためだ。ただし、設置から20年が経過したからといって無条件にリパワリングの対象になるわけではない。最新設備を設置した場合に発電量が高まり収益性が見込めると判断すれば、事業者はリパワリングを検討する。
リパワリング後も発電量が大きく増えないと判断されれば、発電許可が満了してもリパワリングを推進しない場合がある。代わりに、設置から20年に満たなくても発電効率を高めるためにブレード(羽根)やナセル(発電機ハウジング)などのみを交換するリパワリングが行われることもある。
韓国政府は再生可能エネルギー拡大の観点からも陸上風力のリパワリングを支持する立場だ。気候エネルギー環境部は3日に公開した「陸上風力発電活性化戦略」に、リパワリングの拡大を後押しする政策を盛り込んだ。
まず韓国政府は、陸上風力発電団地の変更なしにリパワリングを推進する場合、風況計測の手続きを省略できるようにした。これまでは既存の陸上風力発電事業の運営期間が終了し、リパワリング発電事業の許可を申請する場合、新規に発電事業許可を申請するのと同様に風況計測を実施しなければならなかった。これによりリパワリング事業の開発期間を短縮する計画である。
また韓国政府は環境影響評価の手続きも簡素化する予定だ。発電事業者が陸上風力発電団地の竣工後10年間、環境影響モニタリングの結果を韓国政府に提出していることから、新規の発電事業を受けるのと同一の環境影響評価を受けなくてもよいと判断した結果である。
ただし、発電事業許可に関しては事業者間で意見の相違が生じうる。気候部の関係者は「自然環境の保護、社会全体のコストの観点からみると、陸上風力の設備と場所を再利用できるリパワリングを推進するのが妥当だ」と述べたうえで、「発電事業許可を受けた20年間、風資源を利用して収益を上げてきた既存事業者がリパワリングした場合、再び発電事業許可を受けられるようにすべきか、新たな事業者に機会を与えるべきかについては意見の相違があり、今後の議論が必要だ」と語った。