政府に石油化学事業の構造再編案を提出した企業が、来年1月に輪郭が明らかになる「テサン1号プロジェクト」に注目している。テサン1号プロジェクトには、政府がHDヒュンダイケミカル、ロッテケミカルの事業再編にどのような支援策を適用するかが具体的に盛り込まれる見通しだ。次の順番で事業構造の再編を推進する石油化学企業は、これを参考にして来年1〜3月ごろ最終再編案を提出する見込みだ。
26日石油化学業界によると、キム・ジョングァン産業通商部長官は22日、事業再編案を提出した石油化学企業の最高経営責任者(CEO)らと会い、推進状況を点検し、今後の日程に関する意見を聴取した。この日「テサン1号プロジェクト」という用語が初めて登場した。
テサン1号プロジェクトの対象企業であるHDヒュンダイケミカルとロッテケミカルは、政府の自律的リストラクチャリング・ロードマップに最初に呼応した企業である。ナフサ分解設備(NCC)の統合・縮小を骨子とする事業再編計画を政府に提出し、自主再編の前例を作った。こうした努力を勘案し、十分な支援策が盛り込まれるとの期待が業界で出ている。
政府はHDヒュンダイケミカルとロッテケミカルが提出した事業再編案を基に、金融支援、税制優遇、研究開発(R&D)支援および規制緩和を含む全面的な支援パッケージを検討している。テサン1号プロジェクトは現在予備審議段階で、来年1月ごろ最終承認が下りる見通しだ。債権金融機関は現在進行中のデューデリジェンスに基づき、金融支援策を協議して確定する計画だ。
HDヒュンダイケミカルとロッテケミカルは最終事業再編計画書の提出なしに現在の事業再編案をそのまま推進する予定だ。他の石油化学企業はテサン1号プロジェクトの内容を見て、来年1〜3月期内に最終事業再編計画書を提出する構想だ。テサン1号プロジェクトが企業の関心を引けば、ウルサン、ヨスなど他の産業団地のリストラクチャリングも弾みがつくことになる。
ある石化業界関係者は「テサン1号プロジェクトにどのような内容が盛り込まれるかが最も重要だ。政府が企業にどの部分を支援するのかを見極めることができる。支援策を踏まえ、自社にどの部分が該当し、さらに何が必要かを定めて政府に訴える予定だ」と語った。
別の関係者は「来年1月ごろテサン1号プロジェクトが承認されれば、これを基盤に次の段階を準備する計画だ。電気料金の引き下げ、税制優遇、R&D支援など方向性はあるが、具体的な内容はまだ共有されていない。企業ごとに実際に必要なものが異なるため、テサン1号プロジェクトの内容を見てアイデアを得ることになりそうだ」と述べた。
これまで石油化学業界で産業用電気料金の引き上げによる負担を継続的に提起してきた経緯があるだけに、テサン1号プロジェクトには関連支援策が盛り込まれる可能性がある。ただし他産業などとの均衡の問題があり、可能性は高くないとの分析が出ている状況だ。
石油化学産業の事業再編案の大半が、企業間で生産設備や持ち分を譲渡・買収する過程を含んでおり、取得税と譲渡所得税の負担に関する支援策が含まれる可能性は高い。高付加価値・スペシャルティ中心への事業構造転換に伴うインセンティブも有力だ。
産業通商部関係者は「テサン1号プロジェクトで政府がどの点を考慮しているのか、具体的な案を示す予定だ」とし、「他のプロジェクトも早期に事業再編計画書が策定できるよう、業界と継続的に意思疎通する」と述べた。
一方、8月に政府が設備削減目標として270万〜370万トン(t)を提示した後、石油化学企業は今月19日付で事業再編案をすべて提出した状況だ。
テサン産業団地ではロッテケミカルのテサン工場(年110万t)閉鎖が有力だ。ヨス産業団地の場合、LG化学とGSカルテックスが合弁会社を設立し、LG化学第1工場(年120万t)を閉鎖する案が取り沙汰されている。
ヨチョンNCCは稼働中断状態の第3工場(年47万t)を閉鎖し、ヨチョンNCC第1・第2工場またはロッテケミカルのヨス工場のうちいずれかを追加で止める案を検討していると伝えられる。